「第15回日本分子状水素医学生物学会大会」開催、分子状水素の作用機構から臨床までの発表相次ぐ

 第15回日本分子状水素医学生物学会大会(大会長:名古屋学芸大学副学長・大野欽司氏)が8月22日、都内で開催され、関係者81人が参加した。臨床ワークショップでは、岡山大学学術研究院医 歯科学領域予防歯科学分野の丸山貴之氏が、「歯周病に対する水素の効果について」と題し、20〜39歳の歯肉炎患者20人を対象とした試験で、プラセボ摂取群と比較して、水素含有ゼリー(40ppm)の14日間の摂取により、歯肉の炎症が軽減する傾向を認められた結果などを報告した。日本医科大学共同研究施設臨床系研究室の上村尚美氏は、「糖尿病モデルマウスの急性肝障害に対する水素水の肝保護作用と補助療法の可能性」と題し、糖尿病モデルマウスを用いた実験で、水素水とNアセチルシステイン(NAC)の併用が、NAC単独投与よりも優れた肝保護効果を示した結果を報告。「水素水は既存治療を補完する新たな治療戦略となる可能性が示された」と語った。

 

 ランチョンセミナーでは、順天堂大学大学院医学研究科の太田成男氏が、「水素の実装に向けて世界の公的認証への動き」と題し講演。分子状水素の医療的な応用については、医療機器(医薬品)としての承認が求められるが、わが国では、水素そのものが天然物質であり、物質特許による独占が困難なことから、高額な臨床試験費用を回収し辛く、医薬品開発が進みにくい特性があると紹介。一方、中国では水素・酸素混合ガス吸入装置にネブライザーを付置した製品が2023年にクラスⅢの医療機器として薬事承認され、呼吸器疾患などへの医療用途で使用されている。また米国では、2025年に筋委縮性側索硬化症(ALS)を対象とするオープンドラッグ指定(ODD)を受けていることを紹介した。太田氏は、欧州ではMDR(Medical Device Regulation)に基づく医療機器認証制度が整備されており、比較的現実的な開発ルートとして注目されている点に触れ、チェコ共和国で分子状水素吸入装置の医療機器認証を目指したプロジェクトが進められている事例を紹介した。つづく

 

 

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