連載⑳【海外ヘルスケア最前線】 世界的な魚油不足、ピンチはチャンスに
――欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役の田中啓之氏が、海外ヘルスケア市場の最新動向などを紹介する。
先頃、当社親会社が所在するノルウェーに出張に行って参りました。今回は客先と一緒に、魚油の視察を兼ねてノルウェー北部へ向かいました。南米のエルニーニョ現象の影響で、世界の魚油(DHA・EPA)供給の中心であるペルーのカタクチイワシ漁獲量が激減していることは各所で報道されているかと思います。一部報道では、北米中心に汎用的な規格品(DHA18%:EPA12%)の供給可能量は、約8万5,000tから1万t程度に減少したとも言われています。今年6月初旬には米国海洋大気庁(NOAA)をはじめとする気候関連機関がエルニーニョ現象に関する警報を発令し、国際魚粉・魚油機構(IFFO)は、ノルウェーを含む主要生産地(その他ペルー、チリ、アイスランド等)における魚油の累計供給量が、前年比で既に31%減少しているとの調査結果も示しています。
こうした報道を受けてのノルウェー現地の実情と反応を見ると、意外な点が浮かび上がってきました。漁獲量が減少していることは事実のため、その点での危機感は多かれ少なかれあります。特にサバの漁獲量は昨年比で減少しており、その他魚種についても買い付け時の価格が数倍に跳ね上がっているという悲鳴を聞くこともありました。しかし、相対的にはエルニーニョの影響が小さいこと、主要産業であるサーモン養殖などは飼料としての魚粉や魚油の割合を戦略的に低くしてきていたことから、漁獲量減の影響は相対的に軽微になっています。逆に、同状況を踏まえ、魚油価格が高騰していることを好機と捉え、クリルオイルを中心とした付加価値型の魚油や藻類由来オイルを提案できるスペースが拡がっている、と現況を前向きに捉えるムードが大半を占めているように感じました。つづく
詳しくは健康産業新聞1842号(2026.8.19)で
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