特集【注目の植物油】 米油が国内外で続伸、需要高まるネクストオイルも
植物油市場は、世界的な原料価格の高騰が影響し、厳しい状況が続いている。背景には、パーム油、大豆油、菜種油を中心としたバイオディーゼル向けなど世界的な食用油需要の増大や、北米、南米、欧州など原料生産国の天候不順に加え、円安による原料調達コストの上昇、ロシアのウクライナ侵攻による穀物需給不安の高まりなどがある。大手各社では、家庭用、業務用共に安定供給を前提とした食用油の段階的な価格改定を実施。相次ぐ値上げを受け、卸や販売先での販売数量が減少傾向にある中、各社では、混合油の提案や高付加価値商品の開発、催事・イベント開催などに力を入れている。「美味」「健康」「機能」を切り口とした“サプリ的オイル”は、メディア報道による突発的な急伸があるものの、世界的な価格高騰や、相次ぐ値上げ等の影響を受け微減で推移している。
日清オイリオグループの定点調査(『インテージ社SCI-pデータをもとにした日清オイリオグループ推計』)によると、アマニ油、エゴマ・シソ油、米油、MCTオイルを中心とした「新油」の2025年度の売上高は約356億円(前年比3.7%減)だった。内訳をみると、アマニ油が118億円(同10.9%減)に。昨年のTV報道による急伸の反動減だが、昨年末から今年に掛けてのTV報道もあり、直近3ヵ月は18%増で推移している。国内外で好調に推移する米油は184億円(同5.4%増)と伸長した。また、未曽有のオリーブオイルショックにより、世界的な減産に伴う価格高騰のあったオリーブ油は、472億円(同2.7%減)と回復基調にある。近年急拡大してきたMCTオイルは28億円(同2.2%減)、シソ・エゴマ油は26億円(同10.2%減)だった。日清オイリオでは、米油の販売強化と共に、オリーブオイルやサプリ的オイルの再活性に力を入れている。
米油は、原料の米ぬかに含まれるγ-オリザノールの抗酸化作用や血中コレステロール低下作用とともに、オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)が豊富で耐熱性が高く、油切れの良いアレルギー・グルテンフリー油として国内外で需要が拡大している。海外市場からは、日本発のボタニカルオイルとして評価が高く、主に揚げ油として幅広く採用されている。サプライヤーは、オリザ油化や昭和産業、築野食品工業など。オリザ油化は、1939年より米油の抽出精製事業を手掛けるパイオニアメーカーとして米油事業を展開。近年は東南アジアをはじめとした海外輸出が好調に伸びている。この他、“サプリ的オイル”の「新油」では、アルガンやカメリナ、ボラージなどネクストオイルの提案も進んでいる。つづく
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