【話題追跡】 「ロンジェビティ」分野で「エピジェネティック」研究が活発
健康で若々しく長生きすることを重視する概念「ロンジェビティ」。米国などでトレンドとなる中、日本市場にも浸透し始めている。ロンジェビティに寄与する機能性素材のエビデンスとして注目されているのが、生物学的年齢を測定する「エピジェネティック」に関する研究だ。今年に入り、ロート製薬や森永製菓、湧永製薬などが相次いでロンジェビティ分野に参入した。ロンジェビティは「健康長寿」とも訳され、病気にならず、日々を健やかに過ごしながら長寿を目指すという考え方だ。ロンジェビティへの寄与を証明するための研究方法として活用が進んでいるのが、エピジェネティック研究である。エピジェネティックは、遺伝子の老化制御等を研究する学問。ヒトは遺伝子以外でも外部環境により老化速度が変わり、運動や栄養摂取が「生物学的年齢」に影響を与えることがわかっている。これを踏まえ、実年齢ではなく、テロメア長や、見た目の若さ、運動能力といったマーカーを測定することで、「生物学的年齢」を算出する研究が進められている。ここ最近は、東京大学発のベンチャー企業Rhelixaが開発した「エピクロックテスト」と呼ばれる生物学的年齢を測定できるサービスが医療機関などで広がっている。サプリメントメーカーも同システムを利用し、被験者がサプリメントを利用することでどれだけ「生物学的年齢」が減少したかを数値化できる。
SAWAKO CLINIC×YS院長の日比野佐和子氏は、本紙の取材に対し、「当院でエピクロックテストを受けて貰い、患者の課題を分析し、ゲノミクス栄養学に基づいてサプリメントの提案や生活習慣の改善を行っている」と話す。同氏は、エピジェネティック改善は、病気を治すだけにとどまらず、「患者のQOL向上に貢献できる」と強調する。エピジェネティック研究は、医療だけでなく、健食の分野でも活用できることから、健食メーカーがエビデンスの一つとして注目している。なかでも、NAD+を増やし、サーチェイン遺伝子を活性化するエイジングケア成分の定番であるNMNやPQQのほか、ビタミンなどのエピジェネティック研究が比較的多くみられる。FRACORAは、Rhelixaと共同で、今年6月に開催された日本抗加齢医学会でランチョンセミナーを開催。NMNがエピジェネティクスの改善に繋がる可能性について発表した。大正製薬は今年、タウリンが生物学的年齢を減少させる可能性について発表。ロート製薬も、ビタミンC研究において、“エピジェネティック制御”という生体内で起こりうる機能に注目。肌の老化やバリア機能の低下といった課題への根本的なアプローチに繋がる可能性があると発表している。CROによると、生物学的年齢評価の試験は、「問合せが増えている項目の1つ」「被験者を集めやすく消費者の加齢に対する関心の高さがうかがえる」としている。つづく
詳しくは健康産業新聞1841号(2026.8.5)で
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