特集【医家向けサプリメント】 抗加齢分野で新規参入増える
第26回日本抗加齢医学会総会が6月26日から28日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された。医師・研究者らによる100以上の演題、シンポジウムが開催され、企業展示ゾーンには約140社が医療機関向けサプリメントや医療機器などを展示した。展示内容は、米国の医療機関において肥満改善で急伸している植物由来原料はじめ学会のテーマに連動した抗老化、抗糖化、関節痛対策、性特有の不調などで、アイテムは、NMNが最も多く、その他ビタミン、ミネラルなどの基礎栄養素、CoQ10、乳酸菌などを配合したサプリメントなどが多く見られた。サプリメント剤型が主流で、リポソーム化した製品を提案する企業が多かった。同学会に参加したクリニックの多くは、抗加齢医療や分子栄養療法によるサプリメントを扱っている。医師は、様々な不調や不定愁訴を抱える患者に対し、不足している栄養素の補完を目的に、サプリメントを提案。診断や血液検査も行い、各人の体調に合わせた栄養素を分析し、患者の健康を支えている。この流れは、ノーベル賞を2度受賞したアメリカのライナスポーリング博士が推奨する分子栄養学をもとに広がっている。
日本では、約40年の歴史を有する。分子栄養学の臨床結果や市場性に可能性を感じ、歯科や美容クリニック、婦人科でもサプリメントの利用が波及。特に歯科領域では、待合室を活用して、オーラルケア製品を中心に、サプリメントなど物販の売上が、毎月100万円を超えるクリニックも多い。婦人科では、女性特有の不調や更年期障害に対して、ミネラルや大豆由来エクオール、デリケートゾーンケア向けに、乳酸菌サプリメントを扱う医療機関が増えているという。近年の抗加齢医療や栄養療法でサプリメントが広がる一方、従来からのサプリメント活用は盤石な市場を築いている。統合医療分野を切り拓いた渥美和彦医師を筆頭に、帯津良一医師や新見正則医師をはじめ、日本統合医療学会や日本補完代替医療学会に所属する各医師が受け継ぎ、裾野を広げている。
同分野では、がんやアレルギーなど免疫疾患に対して、治療の補助を目的に、免疫賦活作用があるとされる成分を配合したサプリメントなどを活用。NK細胞、T細胞、自然免疫を活性化し、免疫賦活を作用により、様々な疾病の治療をサポートしてきた。代表的な素材では、冬虫夏草、アガリクス、担子菌培養抽出物などのキノコ系素材をはじめ、植物性多糖加工食品、活性高分子多糖体、有機ゲルマニウム、フコイダンなどを用いたサプリメントが利用されている。大和薬品のバイオブラン、アミノアップのAHCC、パラディアムのインターナチュラルなどは、医療機関で20~30年以上の実績を有する。取り扱うクリニックに大きな伸びはないももの、安定した売上を維持しているという。クリニックでの採用実績を知り、鍼灸接骨院や健康サロン、対面販売企業や自然食品店などが扱うケースも見られる。
厚生労働省が発表した令和6年の国民概算医療費は、前年比0.7兆円増加の48兆円となり、過去最高額となっている。統計では、75歳以上の保険適用は全体の40%以上となり、高齢者の医療保険は年々増加している。超高齢化社会における健康寿命延伸は日本の課題であり、政府はこの危機をチャンスに変えるために、「健康・医療戦略」等、医療機関と共に様々な政策を行っている。自由診療の医療機関もこの動きに対応するように、国民の健康寿命延伸に向けて取り組んでおり、その中の一つが医家向けサプリメントによる予防医療だ。ただし、自由診療、保険診療を含め医療機関でサプリメントを扱う比率は、全体の数%とされる。言い換えれば、予防医療や健康長寿に対する意識が広がっている昨今、医療機関にサプリメントが普及拡大する可能性は、今後高まるとも言える。つづく
詳しくは健康産業新聞1840号(2026.7.15)で
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