特集【POSTBIOTICS】 短鎖脂肪酸や、菌体成分に世界から高い関心
近年、次世代シーケンサーなどの技術発展により、腸内細菌に関する研究が一気に進んだ。また腸内フローラへの関心の高さも追い風となり、乳酸菌をはじめとしたプロバイオティクスや食物繊維・オリゴ糖などのプレバイオティクスは世界的に研究が深化し、その利用も拡大している。関心高まる乳酸菌原料だが、なかでも殺菌乳酸菌や代謝物に世界が注目している。これまで、乳酸菌などの微生物についてはプロバイオティクス(生菌)の利用が主流で、死菌(殺菌菌体)という概念とマーケットの拡大は、ある種日本が独自に形成してきた側面がある。ポストバイオティクスとは、「摂取した食品が基になって腸内細菌が作り出す代謝産物」「腸内細菌が代謝した成分を直接身体に取り入れる」を指すが、近年、死活化した菌体成分(死菌体)もポストバイオティクスとしてカテゴライズされ、世界的に認知が進む(一部ではパラプロバイオティクスとも)。
死菌体は、培養後加熱処理を行い菌体のみを集菌し製剤化するため、生菌と比較し原料素材中の菌数を高めることができるメリットがある。また、製剤化の際に菌の活性が最も高まる状態で殺菌処理することで菌が持つポテンシャルを最大限高めることも可能。また死活化しているため、保管や輸送における温度管理が不要で、製造時における応用性の高さも評価されている。そして、菌が作用する有効性を効果的に発揮できるという点もポストバイオティクスの特長だ。食品として摂取した際、より多くの菌数が身体へ働き掛けることから、効率が良いと評価する声も多い。現在、米国や欧州を中心にポストバイオティクスを配合したサプリメントをはじめ、プロテインパウダーや機能性飲料、スナック菓子、さらにはペットフードなど幅広い食品に採用されている。
今年3月に当社が企画した米国展示会・小売店視察ツアーでも、多くのポストバイオティクス製品がみられた。多いのがプロバイオティクスやプレバイオティクスと組み合わせたトリプルバイオティクスの処方だ。『Arrae TRIBIOTIC』は、腸、皮膚、膣、免疫に作用するサプリメント。プレバイオティクス、8種のプロバイオティクス菌株と1種類の有胞子性乳酸菌、ポストバイオティクス、免疫グロブリンを組み合わせた設計になっている。ポストバイオティクスは一過性のブームではなく、「生きた菌でなくても健康効果が得られる」という手軽さと科学的根拠を武器に、世界のウェルネス市場の主流になりつつある。つづく
詳しくは健康産業新聞1839号(2026.7.1)で
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