特集【β-NMN】 筋肉・毛髪サポートなどのエビデンス蓄積
抗加齢医療を行う医師の間では「老化は病気」と捉え、老化を止める臨床研究が行われている。食品からのアプローチも行われており、老化を除去するセノリティクス成分の一つとして、NMNも利用されている。クリニックやエステサロンでは、NMNサプリメントはエイジングケアの定番製品となった。ここ最近のMN市場は、他分野へ横展開しながら幅広い層にリーチしつつある。本紙が健食受託製造企業を対象に実施したアンケート調査(有効回答129社)では、今年上期(1~6月)の人気受注素材(複数回答)で、NMNが29票で2位となり、昨年と同等の順位を維持した。美容・ヘルスケア、スポーツ関連の展示会では、「NMN」を銘打ったブースが来場者の関心を引いている。実業家の堀江貴文氏やヒカル氏もSNSなどでNMNの効果を伝え、自身でもサプリメントの発売しており、過激なPRは良くも悪くも一般層へ認知が広がった。米国でNMNが医薬品扱いになるという裁判は、昨年で終止符が打たれた。食品として改めて認められ、米国での需要も復活したという。日本のメーカーからは、「米国向けに最終製品のOEM案件が増えた」という声も聞かれた。さらに、つい先日、中国のEff ePharmから、ヨーロッパの「Novel Food」(新規食品)をpubilshされたと報告があった。今後、NMNが世界的に広がる可能性が見えてきた。
かつてキロ100万円以上すると言われたNMNの原料価格は、ここ2~3年で1/10まで低下したとも言われる。日本で流通するNMN原料の大半は中国製だが、純国産も存在する。本紙が把握できている基原料から国産で製造する企業は、三菱商事ライフサイエンスとオリエンタル酵母。国産原料の価格は高額なため、量販向きではないが、こだわりを持つ層やクリニックルートでの採用が増えているという。中国産のNMN原料の多くは、cGMP認証工場で製造されている。主なメーカーは、SYNCOZYME、Eff ePharm、BONTACなど。日本では、セルマーク・ジャパン、TAメディカル、公知貿易、アスパ・コーポレーション、日本総合医療製薬などが代理店もしくは独自ルートで輸入・加工している。原料は嵩密度が低いため日本で造粒するケースが多い。今年のトレンドは、リポソーム化NMNや還元型NMNが注目されている。安定性や吸収率を高める目的で利用されており、莫大な価格上昇にならないため、差別化製品として利用が始まっている。
エビデンスも各社・各機関、着々と積み上げている。東京大学や慶応義塾大学、静岡県立大学などは、オリエンタル酵母や三菱商事ライフサイエンス、阿部養安堂などの企業と共に、エビデンス研究を進めている。これまでに「高齢者の歩行能力」「聴力・持久力の向上」「骨密度低下の抑制」「フレイル予防」などのデータが蓄積されている。ディーエイチシーでは一昨年、「NMNの12週間の摂取がエネルギー代謝を安全かつ効果的に高め、血管の硬さを低下させる」についての論文が、『Scientifi cReports』誌のTop100に選出されたと発表した。また、昨年6月に開催された抗加齢医学会では、クリニックFの藤本幸弘院長らの研究チームが、中高年女性における毛髪ケア効果について発表した。NMNの機能性表示食品については、2024年CloudNine が『Refeelas』で発売して以来、昨年の14品から今年19品と少しずつ増えている。2024年に、「高齢者の歩く力や握る力を維持する」「中高年の歩行速度の維持」旨の新たなヘルスクレームが受理された。2025年には、「睡眠の質向上」の受理も加わり、原料メーカーには引き合いもあるという。つづく
詳しくは健康産業新聞1838号(2026.6.17)で
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