【調査データ解説⑤】 海外取引状況/工場の人手対策/SDGs対応状況
【海外取引状況】
円安/メイド・イン・ジャパン人気で輸出順調
輸出向け・海外企業からの受託実績を聞いた調査では、「実績あり」との回答は、昨年調査より2.8ポイント減の72.%。受注の多い国(複数回答)は、中国(香港含む)がトップを維持するも、2位の台湾との差が年々縮まっている。3位は韓国、4位は米国・ベトナムが同数となった。今年上期の実績については、前年同時期比で「受注が増加している」との回答は、昨年調査より2.1ポイント増の29.8%。「円安の影響」「メイド・イン・ジャパン製品の人気」「取引先の販売好調」「中国案件の復活」などのコメントが見られた。今年下期の見通しについて、前年同期比で「受注は増加する」との回答は同10.4ポイント増の35.6%。「受注案件の多くが輸出向け」「海外展示会に積極的に出展」「海外ブランドオーナーからの引き合い増」などのコメントが見られた。また今回、「ホルムズ海峡封鎖による影響」について聞いた結果、「悪影響がある」との回答は91.5%に上った。具体的な影響については、「原材・資材の不足および価格高騰、納期遅延」とのコメントが最も多かった。各社対策として、製造の前倒しや後ろ倒し、複数の原料メーカーとの関係構築、処方変更、取引先への値上げ交渉 ―― などを実施しているという。今年下期に見込まれる影響についてもほぼ同様の回答。なかには「このまま原料・資材がなくなってしまわないか不安」との声も聞かれた。つづく
【工場の人手/ロボット導入状況】
8割が人手不足、同業間での協業も
工場の人手について、「人手不足」「やや人手不足」との回答は、昨年調査より2.3ポイント増の80.6%となり、慢性的な人手不足が続いていることがうかがえる。人手確保に対する取り組みについては、「工場のラインの自動化や省力化」「パートの時給アップ」「外国人労働者の雇用」「正社員雇用の推進」「従業員の福利厚生の充実化」などの回答が見られた。製造ロボットについては、今回調査でも導入企業は1割程度、検討中を併せても4割程度に留まる。多品種・少量生産が主となる受託製造業界では、なかなか製造ロボットの導入が進まない現状が続いている。各社では、可能な範囲で自動化・省人化を進めるなど、人材の削減や生産効率を高める取り組みに注力している。また、「同業との連携を強化」「外注協力工場を増やしている」などの声も聞かれた。つづく
【SDGsへの対応状況】
7割がSDGs対応に前向き
SDGs(持続可能な開発目標)に対し、「既に取り組みをしている」との回答は、昨年調査より2ポイント減の43.9%。「検討はしている」(30.7%)を合わせると、7割以上の企業は、SDGsへの対応に前向きであることがうかがえる。具体的な取組内容については、昨年調査と同様、「工場への太陽光発電システムの導入」「アップサイクル原料の開発・使用」「資材のリサイクル」「環境配慮型パッケージの使用」「Co2排出規制」「ゴミの削減」「ペーパーレス」「クリーンビューティ処方の採用」「水の再利用」「FSC認証紙の利用促進」――など、地球環境配慮に対する回答が多かった。また、「人権・労働・安全衛生に配慮した事業運営」「女性役員の登用」など、働き方に関する取り組みも。この他、「ISO14001」認証取得、「Sedex」「Ecovadis」等の世界的プラットホームへの参画、持続可能なパーム油のための円卓会議「RSPO」認証の取得、「国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEPFI)ポジティブ・インパクト・ファイナンス」への参加、女性が活躍できる職場環境、子育て支援に積極的な企業を厚労省が認証する「えるぼし」や「くるみん」認証の取得など、第三者から評価して貰う企業も見られた。つづく
詳しくは健康産業新聞1838号(2026.6.17)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら