特集【26年上期総括・化粧品受託製造】 上期6割増収も、ホルムズ海峡封鎖で下期は不透明

 経済産業省の生産動態統計によると、2025年の化粧品の国内出荷金額は、前年比0.4%増の約1兆3,909億円、3年連続で前年比を上回った。日本輸入化粧品協会による化粧品輸入実績でも2025年は同3.1%増の4,599.3億円と、国内化粧品市場は堅調に推移している。今年の第1四半期(1〜3月)も国内化粧品出荷金額は前年同期比4.1%増、輸入実績も同7.9%増と上々の滑り出しを見せている。今回、本紙編集部は化粧品受託製造企業200社を対象に、取材およびアンケート調査を実施した(有効回答121社)。今年上期(1〜6月)の経営状況について「良かった」との回答は、昨年調査より5.2ポイント減の38.0%。今年上期の増収企業は同2.5ポイント増の60.6%。その内 2ケタ増収企業は同3.4ポイント減の20.2%となった。「良かった」と回答した企業からは、「新規顧客からの受注を獲得」「既存顧客の売れ行きが好調」「安定した受注が継続した」などのコメントが聞かれた。また海外輸出も堅調だった。今年上期の実績については、前年同時期比で「受注が増加している」との回答は、昨年調査より2.1ポイント増の29.8%。「受注が増加している」と回答した企業からは、「円安の影響」「メイド・イン・ジャパン製品の人気」「取引先の販売好調」「欧米の取引先がコロナ前の水準に戻りつつある」「中国案件の復活」などのコメントが見られた。

 

 今年上期は堅調に推移した化粧品受託市場だが、「下期は先行き不透明」とのコメントが多く聞かれた。背景には、今年2月に米国・イスラエルとイランの間で勃発した軍事衝突の影響で、2月末からホルムズ海峡が封鎖される事態に発展している点が大きい。ホルムズ海峡封鎖により、原油はもちろん、原油を精製する過程で得られるナフサの輸入量減少に懸念の声が集まる。化粧品業界では、基材・保湿剤のグリセリン、BG(ブチレングリコール)、PG(プロピレングリコール)をはじめ、シリコーン類、界面活性剤、合成ポリマー、油剤などの内容物の原料はもちろん、容器や資材の多くも、ナフサを由来とするものが多い。今回、ホルムズ海峡封鎖の影響について聞いた調査では、「悪影響がある」との回答は91.5%に上った。具体的な影響については、「原料・資材の不足や価格高騰」「原料・資材の納期遅れ」などのコメントが多くを占めた。対策については、「代替原料への切り替え」「原料変更に伴う処方改定」「ブランドオーナーへの値上げ交渉」「新規受注の一時停止」―― など、サプライヤーやブランドオーナーの狭間で各社奔走しているもようだ。今年下期の経営見通しについて「良くなる」との回答は、昨年調査より5.1ポイント減の32.5%、同6.5ポイント増の15.8%が「悪くなる」と回答している。ある受託企業の社長からは、「今のところ価格高騰はあれど、原料・資材の調達はできているが、今年下期については、サプライヤーからも読めないと言われている」とコメント。また下期に掛けてブランドオーナーの価格転嫁が始まる中、消費マインドの低下を懸念するコメントも複数聞かれた。つづく

 

 

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