ZOOM UP【オーツ麦】 ミルクは嗜好飲料化、食品は主食領域へ拡張

 植物性ミルク市場の中で、オーツミルクの存在感が一段と高まっている。大きな要因の一つが、カフェやコーヒーチェーンといった業務用需要の拡大だ。とりわけラテ用途などバリスタ向けの採用が進んでおり、取材先からは、「家庭用のパック製品よりも、金額ベースでは業務用の比率が高いのではないか」との見方も。カフェ用途では風味や機能性が重視されやすく、オーツミルクの特性が活きやすいことも背景とみられる。外食・業務用を中心に市場が広がり、その後家庭用へと浸透する構図が、オーツミルク普及の特徴といえる。用途面では、従来の「牛乳代替」という位置付けからの変化も進む。クリーミーな風味や飲みやすさの向上により、「代替品」ではなく「嗜好飲料として選ばれる」ケースが増加。バニラやチョコレートなどのフレーバー品に加え、コンビニで手に取れるRTDタイプのオーツミルク飲料も増えており、こうした商品展開の広がりが飲料カテゴリー内での存在感を一段と押し上げている。

 

 栄養面では、食物繊維といった機能性なども評価を得ている。このほか、糖質や加工度に対する意識の高まりを背景に、「低糖・無添加」といった付加価値の重要性も増している。こうした中、酵素技術を活用した糖質コントロールや甘味設計など、品質面での差別化競争が本格化。味と健康志向を両立させる技術に注目が集まっている。地域別に見ると、オーツミルク市場を牽引しているのは欧米地域となっている。なかでもヨーロッパは最大市場を形成しており、市場調査会社 IMARC Group の推計では、2024年時点で世界全体の約5 割(52.8%)を占めるとされる。オーツ麦が食文化として根付いていることに加え、環境意識の高さやヴィーガン市場の成熟が需要を下支えしている。北米もこれに次ぐ規模を有し、特にコーヒーチェーンを中心とした業務用需要の拡大により市場が形成されてきた。こうした中、日本市場は海外に比べると成長初期にあるものの、足元では普及のスピードが加速している。都市部では、主要カフェチェーンにおけるオーツミルクラテの定番化や、コンビニエンスストアのチルド飲料コーナーでの専用SKUの拡大が進み、日常的な購買機会が増加している。オーツミルク市場は、代替乳の枠を超え、嗜好飲料としての価値を高めるとともに、糖質設計や機能性といった技術力が差別化の鍵を握っている。つづく

 

 

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