特集【抗肥満・抗メタボ】 GLP-1など、新たな領域での市場開拓も
現在国内では、メタボ該当者・予備軍の数は2,660万人にのぼるといわれ(厚労省発表)、歯止めが効かない状態に。国もメタボ診断基準の導入や、「健康日本21」の施策の取り組みなどを講じてきたが、一向に改善の兆しがみえないのが現状だ。厚労省が発表した「2023年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」では、男女を合わせた全受診者に占めるメタボ該当者の割合は16.6%。特定健診の導入がスタートした2008年度の14.4%と比較し2.2%増加しており、メタボ人口が減らない現状が明らかになっている。こうした背景を受け、5月、肥満症対策推進議員連盟が設立された。同議連は、肥満症を「社会全体で取り組むべき国家的テーマ」と位置づけ、医療・経済産業政策・成長戦略・地方創生の多角的視点から対策を総合的に推進する事を目的としたもの。会長に衆議院議員の齊藤健氏、事務局長に同じく衆議院議員の渡嘉敷奈緒美氏が就任。日本肥満学会の専門家らと連携して活動していくという。
現在、肥満による財政上の負担は約2兆円、有病率が1%減少することでの財政負担削減効果が約900億円と試算されていることを受け議連では、「肥満症対策を“医療費削減”の手段に矮小化せず、経済政策としての成長分野・投資分野として位置づける。日本は肥満症対策で世界をリードする基盤を持つ国であり、"攻めの予防医療“の柱として推進する」としている。衆参の委員会開催中での設立総会となったが、17人の議員が出席するなど、関心の高さが窺えた。肥満の予防領域についてもテコ入れしていく見通しで、健康食品やサプリメントの積極的な活用も視野に入れているという。
受理総数10.000品を超えた機能性表示食品。テーマ別では、糖や脂肪、コレステロール対策など、メタボ対策関連商品は4,000品近くを占める巨大マーケットとなっている。機能性表示食品として受理しいている商品の表示カテゴリー別では、最多が「内臓脂肪」の1,495品。以降、「BMI」1,429品、「中性脂肪」1,336品、「血糖値」1,325品、「血圧」1,297品と続く(Wクレーム・トリプルクレームは重複)。抗メタボ領域の届出が増加する背景には、メタボ人口の高止まりが挙げられる。特に生活習慣病領域はヘルスクレームとの相性も良く、食品による対策ニーズも年々高まっている。今後も特保や機能性表示食品、健康食品への引き合いが強まりそうだ。
近年、米国を中心に世界的に関心が寄せられているのがGLP-1だ。“痩せホルモン”として日本でも広く知られるようになった。米国ではGLP-1にフォーカスしたダイエット・血糖値対策サプリや、栄養補助食品が数多く上市されており、民間の調査会社の発表によると、関連サプリメント市場は10億ドル規模にのぼるという。GLP-1は血糖値を下げるホルモンで、メタボ大国の米国ではGLP-1受容体作動薬を利用する国民が多く、これらユーザーに向けた栄養サポートサプリなどが人気を博している。近年国内でも「GLP-1ダイエット」と称して、GLP-1受容体作動薬を自由診療枠で受けるケースも増えてきている。GLP-1受容体作動薬は血糖をコントロールでき、食欲が抑えられる作用がある一方で、食事から栄養素が効率よく摂取できない点や胃腸の不調、低血糖、腸内環境の悪化などのリスクが指摘されている。現在、GLP-1をテーマにしたサプリメントでは、GLP-1の分泌を促進するものに加え、GLP-1受容体作動薬の使用者に向けた栄養補給目的の商品、さらには消化や腸に良い働きをするといったコンセプトの商品が並んでいる。つづく