特集【鮫肝油】 シニ ア層が底支え、 安定市場を堅持

 鮫肝油は、馴染みある健康素材として高齢者の認知度が高い。高齢者を中心としたリピーター層に支持されており、えがお、エバーライフ、オリヒロブランデュ、ハーバー研究所などをはじめ、10年、20年とロングラン製品が多い。免疫サポート、肝機能サポートといった訴求点に加え、血流改善や、コレステロール低減、中性脂肪低減、脂質代謝改善、睡眠の質改善作用などの研究報告もあり、生活習慣病予防に観点を置いた提案もみられる。各社のヒアリングから市場規模は少なくとも50億円を超えていると推測される。えがおは、2001年から『えがおの肝油 鮫珠』を通販で展開。鮫肝油健康食品の通販部門でトップシェアを維持している。機能性研究では、医療機関などと共同で実施したヒト試験で免疫賦活作用に伴うインフルエンザウイルスへの感染抑制効果などを確認している。2005年の創業以来、対面販売を重視するケニングコーポレーションは、既存顧客のリピート率が高く、鮫肝油サプリメントの販売量は堅調に推移する。沖縄に拠点を置くスクワラン本舗は、沖縄近海で捕獲した鮫肝油の原料・OEM供給のほか、自社製品の販売を手掛ける。沖縄に訪れる海外観光客が増える中、「鮫肝油商材は観光ホテルや観光土産店で数十個のまとめ買いもみられる」という。この他、各社からは、「鮫肝油商材は、体感が得られる商材としてユーザーの信頼が高い」「免疫ケア商材としての利用が広がっている」「国産商材として反応がよい」「台湾、ベトナムなど、中国観光客以外の訪日観光客による購入も目立つ」などの声が聞かれた。

 

 鮫肝油の多くは、アフリカ、中東、アジアなど海外から調達している。原料サプライヤーによる新たな漁場の開拓が実り、輸入量は安定している。ここ2年の輸入量は約830t(2024年)、約670t(2025年)と減少傾向に。化粧品向け原料・スクワランの需要減によるサプライヤーの数量調整が影響していようだ。健食向け原料は、鮫肝油からスクワレンを抽出・精製した高純度品や、スクワレン以外のジアシルグリセリルエーテル(DAGE)など特定の有用成分だけを抽出・精製した原料、また、スクワレンのみならず肝油に含まれるその他の有用成分を生かした製造法による生肝油タイプなどが流通する。原料相場はキロ当たり、スクワレンが5,000円から6,000円前後。化粧品向けのスクワランが4,000円から5,000円前後で、原料価格は比較的安定している。原料サプライヤー各社では、安定供給体制の構築に加え、フィルタリング強化や、海中汚染による水銀などの重金属濃度、ダイオキシン類濃度の自社基準を設けるなど、安全性、品質管理体制の強化を徹底している。一方、世界的に資源保護が進む中、昨年12月に野生生物の国際取引を規制するワシントン条約にアイ鮫科全種が加わった。日本は、「留保」の姿勢を表明している。国内取引はこれまで通り変わりないが、国際取引については、2027年6月5日以降、輸出国の許可書などが求められる。つづく

 

 

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