【話題追跡】 機能性表示食品、初の自己点検期限 撤回約3割で制度運用に課題

 機能性表示食品制度は、改正後初の自己点検報告期限となる2026年3月31日を迎えた。今回の期限は、2025年3月31日時点で届出番号を有する商品が対象。初回の期限対象で報告未提出の商品は、「機能性表示食品としての要件を欠く」と判断され、該当商品はデータベース上で未報告を示す“灰色表示”となり、消費者からも状態が把握可能となる。このため、機能性を訴求した販売は事実上困難となり、制度運用の実効性を担保する仕組みとして機能し始めている。公表されているデータからは、今回の対応の規模も浮かび上がる。自己点検の対象は6,703件。このうち撤回届出は3月末時点で1,847件に達した。報告完了は4,657件だった一方、未報告は199件存在していた。撤回が約3割に達し、制度自体の利用を改めて見直す企業もみられはじめている。

 

 今回の自己点検は、制度として本格的な検証が求められた。某メーカーからは「2月までは通常業務に追われ、自己点検まで手が回らなかった。初の期限ということもあり、3月に入ってから社内体制を組み直し、一気に対応した」との声もあった。過去文献や社内資料の掘り起こし、表示内容と科学的根拠との整合確認に多くの時間を要したとする声があり、自己点検をめぐる実務負担については、「想定以上だった」との指摘も目立つ。このほか、「制度の趣旨は理解していたが、外部専門家への確認が必要となり、コスト面での負担も小さくない」との指摘もある。

 

 制度の必要性や方向性については一定の理解が示されているものの、運用面に関しては課題や改善を求める声も少なくない。「届出制度ではなく、一定の基準を満たした事業者によるライセンス制度とすべきではないか」(大手商社)といった意見が聞かれる一方で、「制度自体は有意義だが、国の認可や保証を伴わない枠組みである以上、手続きはもう少し簡素化すべき」(原料メーカー)との指摘もある。信頼性向上と現場負担のバランスは、引き続き重要な論点となっているようだ。今後、機能性表示食品の利用については、「継続」や「現状維持」とする企業が多いものの、一般食品メーカーでは、「縮小」や「撤退も検討せざるを得ない」とする声も一定数見られる。つづく

 

 

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