特集【静岡県】 健康食品受託製造各社、省人化の推進で効率化図るなど工夫

 関東圏と関西圏にもアクセスが良い立地から製造業が盛んな静岡。なかでも富士宮は日本初のソフトカプセルメーカーである富士カプセルの誕生に端を発したことから、同エリアは健康食品の受託製造企業が軒を連ねているのが特長だ。現在、健康食品製造における出荷額トップに君臨するなど、健康食品業界を支える中心地となっている。総務省発表の経済工業統計調査では全国の栄養補助食品(錠剤、カプセル等の形状が対象)の出荷額は3,623億6,800万円で、うち静岡県の出荷額は657億3,700万円。13年以上にわたって全国トップを独走している。しかし、そんな受託各社を悩ませるのが昨今のコスト高騰だ。日本国内の景気の伸び悩みに加え、円安・インフレが同時進行するスタグフレーションの状態に入っており、利益を生み出しづらい状況に。さらに今年に入り中東情勢の緊迫化によって、原油価格も高騰。原油の9割以上を中東に依存する日本にとって、原油由来のエネルギーや資材の調達不安、価格高騰で大きな打撃となっている。値上げについては、各社販売会社へ理解を求める取り組みを行っているが、なかなか解決までは至らない状況で、サプライチェーンを含め、関係企業の協力が必至となっている。

 

 その一方で、コスト削減の取り組みにも力を入れている様子が窺える。その一つが製造の効率化だ。製造現場ではここ数年、人手不足に頭を抱えており、省人化を目的に製造ラインや検査ラインの自動化を推進。作業の効率化が図られ、各社とも一定の手応えを掴んでいる。効率化が図られることで長期的なコストの削減に繋がることから、こうした取り組みをさらに推進させようとする動きが目立っている。また、海外展開への取り組みも活発化している。富士カプセルやアリメント工業は海外の展示会に積極的に出展しており、海外顧客の獲得に向けた取り組みを進めている。経済の高成長が期待できるアジア圏を中心とした新たな販路開拓はある意味至上命題ともいえ、海外展開による売上を新たな柱にしたいと考える企業も増えている印象だ。

 

 ここ数年、欧米や東南アジアへの展開に力を入れる企業が増加している。特にベトナムやマレーシア、インドネシアなど東南アジアへの輸出も活況だ。日本の優れた製剤や加工技術は高く評価されており、“日本製”の信頼は揺らがない。受託メーカーによる海外展開についてヒアリングしたところ、ASEANの中でもイスラム圏への展開を視野に入れる企業が目立つようになってきた。本紙が昨年末に実施した受託企業アンケートでは、「ハラル認証導入済み」は30.8%、「導入予定」が9.2%とまだまだ割合は少ないものの、イスラム圏での展開を行う企業には必須の取り組みとなっている。AFC-HDアムスライフサイエンスでは、千葉工場を改修し、2024年11月に3製品で、インドネシアのハラル認証「BPJPH」を取得。三協も日の出工場のハードカプセルラインでハラル認証を取得し、展開を加速させたい考え。業界に先駆けてハラル認証を取得したアリメント工業でも、ハラル認証のさらなる活用を目的に営業を積極的に実施していきたいとしている。つづく

 

 

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