連載【シン・EC 戦略⑥―AI編②―】 5つの役割を見定め、 AI活用領域を決める

 --前回に続き、デジタルコマース総合研究所社長の本谷和彦氏に、AI 活用の成功事例や注意点について聞いた。

 

―― 企業によるAI活用の主な役割は

本谷氏 AI活用は大きく分けて5つのメリットが挙げられます。1つ目は、メルマガや商品情報ページなどをAIに作らせるような「業務効率化」。2つ目はアマゾンのルーファスや楽天のRakuten AIのような外部向け(顧客)サービス向上です。そして、③業績・業務の質向上④経営判断⑤セキュリティー強化です。③以降は今後、重要ポイントになり得ます。③は、トレンド・需要予想などマーケティング関連で売上にも直結します。例えば、モノタロウは自社で開発した生成AIをいち早く取り入れ、在庫管理や需要予想、顧客提案まで行っている成功事例です。④は、競合相手の動向や今後の市場性はもちろん、最終的な意思決定までAIが介入します。AIクローンで社長の分身を作り、経営判断を行う事例もあります。⑤は、サイバー攻撃やコピー品など営業妨害の対策です。AIを悪用した巧妙なサイバー攻撃もあるため、常に最新のセキュリティー状態にして、人間による監視システムを取り入れる必要があります。

 

―― AIで影響を受ける業種とその現状

本谷氏 あらゆるものがAIに置き換わったことを考えると、大きな影響を受ける業種が出てきます。その一例がコンサルティング会社や広告代理店です。例えば、サイバーエージェントの2025年の広告売上が、5年ぶりに減収となったことは代表例でしょう。経営コンサルティング会社の倒産数も過去最高となるなど、マーケティングで牽引していた業種が、厳しい局面になっています。現在、コンサル会社や広告代理店では、自社の強みであるマーケティングスキルとAIを掛け合わせたツールの開発を強化しています。これら企業がデータを扱う企業と協業して、AIエージェントとして、あらゆる業種へサービス提案することが増えていくと思われます。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1835号(2026.5.6)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら