【インタビュー】 大腸内細菌叢賦活化・寿命延伸など、新エビデンス続々
(公財)東洋食品研究所・研究部 研究主任の新谷知也氏は、腸内細菌叢を調節する食品成分や糖代謝を調節する食品成分などの機能性研究を手掛ける。グルコサミンの機能性研究にも従事。関節領域に留まらず、グルコサミンの新たな健康機能を介した社会実装の実現を目指す。現在の研究内容や、今後の研究活動などについて話を聞いた。
── グルコサミンの魅力は
グルコサミンの大きな魅力の1つは、関節サポート素材として、国内外における圧倒的な認知度の高さです。サプリメント市場だけでなく、ペット(コンパニオンアニマル)市場でも以前から製品展開されており、多くの消費者がその素材名と機能性を認知しています。海外では大規模な疫学研究の対象となっており、グルコサミンの摂取者は死亡率が低いといった研究報告もあります。また、長年に亘る食経験と、それに基づいた安全性も他の素材にはないグルコサミンの魅力だと思います。
── 取り組んでいる研究内容や今後の計画について
近畿大学・栗原新准教授と共同で、「ヒト腸内細菌優勢種一斉培養システム」を用いた研究を行いました。評価したヒト大腸内の重要単菌70種の内、81%におよぶ広範な菌種で、グルコサミンの増殖促進効果が認められました。グルコサミンが大腸内細菌叢全体を賦活化する可能性を示唆しています。また、当研究所が昨年に主導した臨床研究では、便秘気味の健常者29人を対象にシングルアームオープン試験を行いました。グルコサミン1,500mg含有タブレット品を2週間摂取して貰い検討した結果、「排便日数」の増加や「放屁回数」の増加傾向が観察されました。摂取者の「体感」に違いがみられた可能性があるので現在、盲検試験を実施しており、今後、その取得データを解析していく予定です。
このほか、国内の大学と共同研究で、高脂肪食に誘導される肥満モデルマウスを用いた動物試験を行い、グルコサミン摂取により健康増進の傾向が観察されています。また、研究モデルを替えて、ショウジョウバエでの寿命延伸試験も実施。グルコサミン添加食でハエの寿命が1割延伸することを観察しており、「日本応用糖質科学会第74回大会」で研究成果を報告しています。一方、新たな取り組みでは昨年、米国国立老化研究所が実施するアンチエイジング物質の検証プログラムに採択され、米国3施設で、寿命延伸をテーマとしたグルコサミンの長期投与試験を実施することになりました。共同研究者や関係者間と議論の末、国内で使用されている「グルコサミン塩酸塩」ではなく、海外で使用が多い「グルコサミン硫酸塩」を用いて、まずはスタートしました。すでに短期投与の予備試験が完了しており、現在、約3年の長期試験を進めています。つづく
詳しくは健康産業新聞1834号(2026.4.15)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら