特集【機能性糖質・甘味料】 オーラルケアから腸活まで幅広い機能性

 精糖工業会が今年 3月に発表した砂糖関連の市場統計によると、2024年の国内精製糖生産量は、153万 tと前年の151万tから若干増加しているものの、2000年の192万tから減少傾向が続いている。また、日本人の砂糖消費量は、1972年の1人当たり30kg /年だったのに対して、2024年は15.2kg/年と半減している。砂糖の消費量が減少する中、昨年 6月、ウェルネオシュガーが東洋精糖を今年10月に吸収合併すると発表した。5年前には、三井製糖と大日本明治製糖が合併し国内
最大の製糖メーカー「DM三井製糖」が誕生しており、ウェルネオシュガーと東洋精糖の合併を受け、国内の精糖メーカーは2大巨頭を形成することになる。ウェルネオシュガーは今年春、オーラルケア向けの機能性糖質『サイクロデキストラン』工場の増産を発表。上記2社は精糖工業会にも加盟しているが、このように製糖メーカー各社では、製糖事業に軸足を残しつつも需要の高まる『パラチノース』や『サイクロデキストラン』、オリゴ糖などの機能性糖質の開発に徐々にシフトチェンジしている。

 

 新規原料では、日本食品化工が、今年2月開催の「健康博覧会2026」で、新たな機能性糖質「遅消化性糖質」を発表。4月には製品名を『メガロリンク』と名付け、スポーツニュートリションや医療機関向け食品への提案を行うとして
いる。天然甘味料のステビアも注目されている。長らく漬物や総菜などの呈味改善に利用が多かったが、近年はプロテインやリラクゼーション系ドリンクに採用が増えている。自然由来でカロリーゼロ、低コストに加え安全性が見直され、人工甘味料からの切り替えが増えているという。ステビア工業会への取材では、ここ数年の出荷量は220tで推移しており、2025年は230tに微増となる予想だという。ヒトの甘みに対する欲求は減ることはない一方で、健康意識が高まる中、市場全体では各社、甘みを感じながら健康維持ができる素材に対する研究開発に邁進している。今回の取材ではオリゴ糖の原料となる乳糖の原料不足やイラン戦争による糖質調達ルートの変更などの障害はあるものの、おしなべて機能性糖質市場は堅調に推移している。

 

 製糖メーカーによる機能性糖質の研究も活発化している。砂糖は、ブドウ糖と果糖が結合した2糖類でできているが、各社、酵素技術等で結合を変えることにより、オリゴ糖からメガロ糖、多糖まで様々な機能性糖質を製造している。砂糖由来では、オリゴ糖をはじめ、『ケストース』『サイクロデキストラン』『パラチノース』などが代表格。いずれもショ糖と比較して糖度は低いが、様々な生理機能を有する点が特徴。オリゴ糖や『ケストース』は腸内環境改善、『パラチノース』は持久力維持、難消化性オリゴ糖は整腸作用に加え免疫賦活など、ある程度の甘みを維持しながら、砂糖にはない機能性による付加価値提案が行われている。これらは、砂糖代替素材に加え、ダイエット向けサプリメント、疲労回復や持久力維持向けドリンクなど幅広い製品に配合されている。近年では、アルロースのGLP-1促進作用を介した健康機能やオリゴ糖の一種『サイクロデキストラン』の虫歯予防機能など砂糖の弱点を補うような機能にも注目が高まっている。つづく

 

 

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