ZOOM UP【カキ】 疲労サポートで、ユーザーの裾野拡大

 海産物由来の伝統素材・カキ。国内では、瀬戸内海産や北陸産、三陸産などが有名。県別生産量では、広島県が最も多く、1万6,900 tで国内の約 6割を占める。一方、昨年10月頃から収穫量が激減。例年に比べ 9割減といった場所もみられた。夏の猛暑による高水温や、少雨による塩分濃度の上昇など、複数の要因が重なったことが影響しているようだ。県によると、「まだ予断を許さない状況だが、今年2月半ばぐらいから収穫量は回復基調にある」と話す。カキは、クロム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミン B、Eをはじめとしたビタミン類、グリコーゲン、タウリンなどを豊富に含む。なかでも、体内で作ることができない必須微量ミネラル・亜鉛の含有量は食品中で突出しているほか、タウリンもトップクラスの含有量を誇る。

 

 健食市場で流通する原料は、各社による製法の違いはあるが、カキを抽出・濃縮したものが大半を占める。海外品は中国産、韓国産、インド産などがある。原料価格はキロ当たり1万円前後から3万円前後。各社、産地、製法、価格、機能性データなどで差別化を図っている。原料価格については、養殖船の燃料費や工場のエネルギーコストが増加している中、「値上げせず、現状維持で対応している」「製品の価格改定を実施した」など、各社の対応は様々。このほか、供給面においては、「今シーズンの収穫量によって、来シーズンに影響が出る可能性は否定できない」といった声が聞かれた。

 

 備前化成では、瀬戸内海産『カキエキスパウダー』を供給。カキエキスに海藻由来の亜鉛成分を強化したカキ原料もラインアップする。丸善製薬は、広島産カキを特殊製法により機能性成分の含有量を高めた『圧力酵素分解カキエキス』を取り扱う。自社によるエビデンスデータを差別化に提案。供給量は堅調に推移するという。活力素材として認知が高く、「新規の問合せも継続的に頂く」という。カキ原料の機能性研究では、「肝機能」「疲労」「免疫」「睡眠」「男性機能」「メタボ」「骨」「中年女性の健康」「免疫サポート」など、各社によるエビデンスデータの蓄積が進む。

 

 末端製品ではサプリメント、飲料、ゼリー商品などが流通。活力サポートや、肝機能サポート、日々の健康維持を訴求した商品が多い。体感商材としてリピート率が高く、一定のユーザーが根付いている。10、20年と長年に亘り販売されているロング商品も少なくない。日本クリニックは、全国の相談薬局・薬店でカキ肉エキス配合サプリメント「バランスターWZ」シリーズを販売している。専門メーカーとして計画性を持ち、原材料を確保。安全供給体制を整えている。エステサロン、治療院など、販路開拓にも注力している。近年はアンチドーピング認証を受けた商品も複数品あり、スポーツ領域での利用も広がっている。このほか、各社からは「国産原料として海外からの問合せが増えた」「亜鉛、鉄がリッチなカキはイベントで紹介すると、妊活サポート、フェムケア商材として来場者の反応が良い」に加え、「疲労対策向けに購入者する女性が増えている」「酷暑対策として利用するユーザーも目立つ」といった声も聞かれた。つづく

 

 

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