特集【アンチ・ドーピング(AD)】 分析・認証約500製品、前年比2ケタ増

 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は昨年12月の国際会議で2027年にスポーツ競技におけるドーピング規定を改定すると宣言した。会議では「アスリートの権利を強化し進化するアンチ・ドーピング基準と適合する新たな改定を行った」としている。WADAでは国際オリンピック委員会(IOC)とも連携し、国際的なスポーツ競技のドーピングのルール作りを行っている。その1つが、毎年1月1日にドーピング禁止成分を公表することだ。成分表の中には、核酸や全ての天然および合成カンナビノイド(カンナビジオール(CBD)は除く)なども記載させている。これを受け、日本のアスリートや競技関係者はこれら成分の取り扱いに注意を払うことになる。特に、サプリメント摂取時に最新の情報収集と最大限の注意が必要とされる。関係者の話では、2027年をきっかけにより厳格なルールになるのではと言われている。

 

 スポーツ競技では、アスリートの多くはパフォーマンス向上や疲労回復を目的にサプリメントを摂取している。(公財)日本スポーツ協会スポーツ医・科学委員会が2024年3月に発表した「スポーツ現場におけるサプリメントの利用状況と活用コンセンサスの作成」によると、アスリートの439人中、「サプリメントを利用している」人は、228人と半数以上だった。また、「アンチ・ドーピングを意識している」と回答した人は329人で 、7割以上がドーピングに注意を払っていた。「ドーピングについて認証等が確認できたサプリメントしか使用しない」と答えた割合は209人中131人(62.7%)と、アンチ・ドーピング認証が一定以上の効力を発揮している。こうした中、アンチ・ドーピング分析および認証製品の上市が増えている。市場では、ドーピング成分検査済み、認証済マークを付けた商品がDgSや通販、スポーツジムなどで販売されている。国内の主な4種のマークを付与した製品数は、昨年の429製品から489製品に13%増加している。
 

 ドーピング成分分析機関は世界各国にあり、WADAの情報を基に各機関自国のルールに則り分析活動を行う。日本ではドーピング分析と分析後に認証マークを付与する分析機関が存在する。現在、国内で分析を行えるのはイルホープのみ。同社は、スポーツファーマシストが窓口となり、サプリメントや化粧品などの分析を行う。昨年まで、日本分析センターも分析事業を行っていたが、諸事情により業務を終了。一方、海外で分析を行い認証マークを付与する機関は、英国LGCと米国BSCG。

 

 LGCが展開するアンチ・ドーピングプログラム「インフォームド・チョイス(IC)」は2016年に日本での事業を開始、国内最多の認証製品数を有する。その後、「インフォームド・スポーツ(IS)」「――プロテイン」「――イングレディエンツ「――マニュファクチュア」と多くのプログラムを展開する。BSCGは、IOC医学委員会のメンバーで薬物検査のエキスパートでもあるドン・H・カトリン氏らが2004年に立ち上げ世界で最も多い認証数を持つ。また、分析する成分数も400以上と世界で最も多くの薬物検査を行う。日本での展開はLGCより後発となるが、今後日本でのアンチ・ドーピングプログラムを強化していくという。つづく

 

 

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