連載⑰【海外ヘルスケア最前線】 潜在需要高い毛髪ケアサプリ、フェムテック領域の拡大が後押し
欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役の田中啓之氏が、海外ヘルスケア市場の最新動向などを紹介する。
近年、米国市場で静かに、しかし確実に存在感を高めているのが“Hair Health(毛髪ケア)”サプリメントです。日本ではAGA治療薬が医療ルートで確立されていますが、サプリメントとしては、薬機法上の表現規制が厳しいことから、大きな広がりまでに至っていません。一方、米国では医薬品とサプリメントの棲み分けが明確であり、あくまで“support(サポート)”という立ち位置で、毛髪・肌・爪を包括的に訴求する商品群が拡大しています。特に目立つのは「Hair, Skin & Nails」という三位一体型の提案です。コラーゲン、ビオチン、亜鉛、ビタミンDなど、消費者認知度の高い成分をベースにしつつ、近年ではエビデンスを備えたブランド原料の採用も進んでいます。例えば、海洋由来コラーゲンペプチドや、ケラチン加水分解物、さらには、ノコギリヤシ、アシュワガンダなどホルモンバランスやストレス経路にアプローチする素材まで処方は多角化しています。
背景にあるのはフェムテック領域の拡張です。更年期や産後、強いストレス環境下での“抜け毛”は、女性にとって深刻な悩みであり、単なる美容課題ではありません。実際、米国ではドラッグストアなどでフェムケア棚の一角にHair Support商品が並ぶ光景は珍しくなくなりました。毛髪は“女性の健康状態を映す鏡”という位置付けで語られています。また興味深いのは、若年層の参入です。SNS上では「予防美容」「コラーゲンバンキング」同様に、“Hair Longevity”という考え方も拡散しています。脱毛が始まってからではなく、20代からのケアを推奨する流れです。グミ剤型やショットドリンクなど、カジュアルな摂取形態もこの潮流を後押ししています。つづく
詳しくは健康産業新聞1832号(2026.3.18)で
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