【話題追跡】 健康食品、”機能訴求”だけでは売れない時代へ

 ヘルスクレームの多くが、自分ごと化されずにスルーされてしまっている ―― 。マーケティング・テクノロジーフェア東京2026(主催:インフォーマ マーケッツ ジャパン)のセミナー「ヘルスケア領域の関心テーマの作り方」で、マーケティング支援事業を行うキリサメ代表の永川芳仁氏は機能訴求の限界について言及した。「消費者は日々、ヘルスケア以外も含めて多数のブランドに接触している。日常生活の課題はヘルスケアだけではないため、機能面だけを正面から訴えても発見されにくい」と指摘。その上で、「自分ごと」と感じられる文脈づくりが重要との見解を示した。各種調査によると、健康への関心は高い一方、行動変容は「できる範囲で」に留める層が多数派。病中・病後でもこうした傾向があるという。喫煙と肺がんリスクを例にすると、“自分はまだ肺がんにならない”とする楽観バイアス。“そのうち治るから”という現状維持バイアスがあると指摘。「生活者の先送り意識をいかに壊すことができるか」「その心理的課題の可視化」が必要と強調した。

 

 ではその文脈をどのように言語化するのか。マーケティングコンサル事業を手掛けるマクロミルの蛯原千晶氏は、「ヘルスクレームを情緒的な価値に有機的に繋げていくことが重要」と指摘する。機能性商品の開発では、消費者が抱える悩みや潜在的ニーズを丁寧に捉え、その背景にある文脈を言語化することが重要。研究段階でメカニズムを抽象化し、生活者がどのように受け止め、どんな価値に結び付けられるかを整理することで、機能的価値と心理的価値を自然に繋ぐストーリーが生まれる。文脈の設計は、商品単体に留まらずブランド全体の理解を深め、長期的な価値構築にも繋がるとした。千葉テレビ放送の経営支援事業部総合プロデューサー・大林健太郎氏は、健康・美容カテゴリーでは、「本来の自分を取り戻せる」といった感情ベネフィットを一言で言い切ることの重要性を説く。テレビ通販におけるグルコサミンを例にとると、孫と鬼ごっこするシーンをインサイトとして挿入するイメージという。つづく

 

 

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