国際水素医科学研究会セミナー、標準医療に向けた水素の挑戦をテーマに

 国際水素医科学研究会主催の第6回セミナーが3月8日、東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で開催され、会場参加130人、オンライン参加30人の計160人が参加した。山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学教授の佐野元昭氏は、「水素医療の実装化をめざす山口県での取り組み」と題し講演。現行の水素吸入器を鼻カニューレで吸入する場合では、発生した水素ガスの2/3は呼気や死腔でロスとなる課題があると述べ、毎分250mLの水素ガスを鼻カニューレで吸入した場合、呼気水素分画(FiH2)は1.389%となり、動脈血水素飽和度は1.3%へと劇的に低下してしまうと述べた。一方で、佐野氏が現在開発中の電磁バルブによる吸気同期パルス供給システムについて解説。電磁バルブにより吸気時にのみ生成された毎分250mLの水素をパルス供給することで、ロスの削減に加え、供給するタイミングを極めて精密に制御できる点が最大の特長とし、同方法にて吸入した場合、動脈血水素飽和度は5.14%となることを紹介した。

 

 佐野氏は、臨床応用においては、水素ガスの総発生量ではなく、供給タイミングの精密な制御であるとし、人体の呼吸サイクルと解剖学的構造を理解し、「吸気同期パルス供給」を実装することが、血中濃度を最大化し治療効果を高めるための最も合理的かつ革新的なアプローチだと述べた。続いて、人工透析分野で進めている研究開発の一端を紹介。㈱ドクターズ・マン協力の下、ガス分離中空糸膜を用いて水圧より低い圧力で水素を溶解することで、気泡を発生させず高濃度の溶解を実現できる「直接溶解法」による水素透析システムを紹介。動物実験で安全性を確認済みで、今年度はヒトへの安全性研究を実施するとした。つづく

 

 

 

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