連載【シン・EC戦略⑤】 ~AI編①~ AI活用と非 AI活用の 2本柱で
㈱デジタルコマース総合研究所(東京都豊島区)は、「データで状況を理解し予測する」をコンセプトに、EC(E-コマース)産業において様々な業種における市場分析やコンサルティング業務を行う。大和総研でデータ分析や海外進出などの知見を持ち、エビデンスベースで未来を予測する同社代表取締役の本谷和彦氏に、EC とAIの活用について話を聞いた。
―― 企業によるAI活用の現状は
本谷氏 企業の約8割が企画書や、メルマガを作成したり時短のための利用法に終始しており、AIの活用法が限定的と思われます。しかし、AIエージェントを活用して消費者に提案・販売・決済までの仕組みができつつあります。企業は、何のためにAIを導入するのかを今一度明確にすべきです。例えば、通販会社ならどこまでAIを活用したいかが問われています。米国では、グーグルが今年初旬に発表したUCP(ユニバーサルコマースプロトコル)が話題です。UCPとは、AIが消費者に代わって自律的に動作し買い物を完結できる共通のプロトコルで、ウォルマートなどの小売りや、アメックス、マスターカードなどの決済企業もUCPに参入し、エコシステムを形成しています。日本でもUCP導入は確実視されています。
―― 近年のECやSNSの現状
本谷氏 昨年6月に、TikTok Shopが日本でも開設され話題となりました。米国で年間2兆円の売上となり中国やヨーロッパでも成功を収めています。日本市場の躍進が期待されましたが、蓋を開けてみると、初年度の売上は500億円程度と予想されます。日本の消費者は他の先進国と違う消費行動です。例えば、ある消費者アンケートで「買い物をAI の提案に任せてもよいか」という質問に、7割の人が「NO」と回答しています。つまり、多くの日本人は、「自分で選んで納得して買いたい」という能動的な買い物が主流なのです。ただ、今後、日用品などはAIに選んで貰い決済まで行うパターンと健康食品や車など、各々の体調や志向で決まる商品はAIを介さない買い方の2つのパターンで別れてくると予想されます。つづく
詳しくは健康産業新聞1831号(2026.3.4)で
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