【話題追跡】 米国で話題の 「ヌートロピック」、日本でも市場形成の兆し

 ヌートロピック(nootropic)とは、脳内の知的パフォーマンスを向上させる経緯や手法等の概念を言う。語源はギリシャ語の“nous(精神・知性)”と“tropein(方向づける・変化させる)”を組み合わせた造語で、1972年に神経科学者コルネリュー・ジョルジアが提唱した概念に由来する。当初は脳機能に作用する化合物研究を指す用語だったが、現在は食品やサプリメント、飲料分野にも広がっている。2022年の米国最大の機能性食品原料展「Supply Side WEST」で、大きな話題を集めたヌートロピックの市場は現在、米国を筆頭に急拡大している。米調査企業Grand View Researchによると、ヌートロピックの世界市場規模は2025年に約54.5億米ドル、2033年には約114.8億米ドルに達する見通し。その内、北米が4割超を占める。使用者の性別構成については、男性75%、女性25%との調査結果も報告されている。

 

 ヌートロピック製品に用いられる素材は多岐に亘る。L-テアニン、L-カルニチン、L-チロシン等のアミノ酸を始め、バコパモニエラ、イチョウ葉、ロディオラ・ロゼア等のハーブ類、ホスファチジルセリン、α-GPC等のリン脂質、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)、カフェイン――など、複数成分を組み合わせた処方設計も見られる。国内では、2020年後から、ヌートロピックの概念を想起させるリラクゼーションドリンク『CHILL OUT』が登場。以降は、「食品開発展」等でもヌートロピックを訴求する原料展示が見られはじめた。現在では、ヌートロピック訴求する新製品も続々登場している。

 

 英国発のAdaptoLatte.Ltdが販売する粉末飲料「アダプトラテ(AdaptoLatte)」は、霊芝やヤマブシタケ、イヌリンなどを配合しヌートロピックを訴求。日本国内で発売から2年目となるが、40~50代の女性層に人気という。㈱ピークパフォーマンスニュートリションのカプセルサプリメント『111'NEURO DRIVE®』は、論文レベルのエビデンスを持つ原料5種を含む9種類の機能性原料を採用し、購入者の約50%がリピートしているという。今年1月には、And Theが東京大学との共同研究による独自のアミノ酸ブレンド『ヌートロアミノ』などを配合したヌートロピック飲料『NEWTRON』を発売し、話題を集めた。ヌートロピックに関連した製品は、主に受験生やビジネスパーソン、スポーツプレイヤーなど、集中力や脳のパフォーマンスを求める層をターゲットとしつつも、年齢・性別問わずオールジェンダーからの支持を集めている。つづく

 

 

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