特集【オリーブ】 機能性表示食品100品突破、存在感高まる
地中海沿岸の食習慣から始まったオリーブオイルは、健康志向の高まりや様々な料理に使用される機会の増加によって、日本国内でも広く利用されている。日清オイリオグループの定点調査(「インテージ社SCI-pデータを基に自社で推計」)によると、2024年度の家庭用食用油市場全体の金額規模は1,812億円(前年度比99.8%)。品目別では、オリーブオイルが457億円(同103%)でトップを堅持。次いで、ゴマ油390億円(同105%)、キャノーラ油352億円(同88%)と続く。オリーブオイル市場は2025年12月末時点でも前年比(同101%)で推移するとの見立てだ。オリーブオイルの市場規模が拡大している要因のひとつは、一昨年の不作に加え、円安の影響による原料価格に伴う製品の価格上昇が挙げられる。前年度比で143%と大幅に上昇した。一方で、重量ベースでは前年度比71.9%と減少している。今後の見通しについては「当面価格が下がる見通しは低い」との見方を示している。
一方、国産オリーブの動きをみると、最大の産地である香川県では、県独自の制度を通じた県産オリーブのブランド強化を推進している。近年は、香川県以外でも、大分県、広島県、静岡県など、オリーブの栽培地域は徐々に広がりを見せる。新たな動きでは、(一社)日本オリーブソムリエ協会では、オイル以外のオリーブ活用を目的に、テーブルオリーブ(オリーブ果実の漬物)の市場開拓を進めている。同協会の多田俊哉会長は、「オリーブオイルとは異なる『発酵食品』として、オリーブの新たな健康価値が生まれ、日本の発酵技術を活かせる可能性もある」と話す。
オリーブは、食用オイル用途にとどまらず、果実や葉に含まれるポリフェノール類などの有用成分を活用したサプリメントや飲料、スキンケア製品などが流通している。機能性表示食品では、①「オリーブ由来ヒドロキシチロソール」、②「オリーブオイルポリフェノール」、③「オレアノール酸」、④「オレウロペイン」、⑤「マスリン酸」などが機能性関与成分として受理されている。ヘルスクレームは、①、②は「血中LDLコレステロールの酸化を抑制」、③、④は「体脂肪の低減」、⑤は「加齢に伴う筋肉量の維持」。オリーブ関連の機能性表示食品は累計117品に達する。2025年の1年間での受理件数は17品。なかでもオリーブ由来ヒドロキシチロソールによる「血中LDLコレステロールの酸化を抑制」旨の受理が目立つ。
原料サプライヤー各社では、産地、有用成分の規格、機能性表示対応、エビデンスの蓄積などを差別化として、オリーブ由来の機能性素材の提案を強化している。三菱ケミカルグループはオリーブ葉・果実抽出物を供給し、フレイル対策や美容分野での利用が進む。タマ生化学は、オリーブ葉由来オレアノール酸を高含量で規格した原料を展開し、肝機能に関するエビデンスを訴求する。ネキシラは、ヒドロキシチロソールを3%以上含むオリーブ果実抽出物の供給。臨床データをもとに、天然の美容素材として提案を進める。化粧品分野では、岸本特殊肝油工業所が植物性オリーブスクワランを供給しており、エステサロンやセレクトショップ向け製品への採用が進む。
オリーブ素材を配合したサプリメントを販売する事業者への聞き取りでは、「風邪が流行しやすい冬場に引き合いが増える」「一定数は売れており、売上規模は前年並みで推移している」といったコメントが聞かれた。一方、化粧品分野では、ディーエイチシーを筆頭に、美容オイルとしてオリーブオイルを販売するメーカーは多い。原料として使用するオリーブオイルは、スペインやイタリア産が主流の中、国産品も流通する。日本オリーブはスペインに構える自社農園の化粧用オリーブオイルを販売。保湿力や使用感が評価され、30~50代女性を中心にリピート率が高いという。大創産業は「Standard Products」ブランドにおいて、香川県豊島産オリーブオイルを配合したフェイスマ
スクやリップクリーム、洗顔石鹸を展開している。つづく
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