【有識者インタビュー】 特有成分・トリテルペノイド類、男性・女性の更年期に活用期待
長年、霊芝の機能性研究に従事する九州大学農学研究院の清水邦義氏。現在、機能性表示食品を目指す企業を支援する「目利き調査事業」(福岡バイオコミュニティ推進会議)に参画している。霊芝の魅力や、機能性表示食品開発の可能性などについて話を聞いた。
── 霊芝の特長や健康機能について
最大の特長は、極めて多様な化学成分を含有すること。600種以上の化合物が報告されており、その大部分はトリテルペノイド類です。このトリテルペノイド類の化学的多様性は、霊芝の健康機能の多面的な作用に深く関与しています。
── 機能性表示食品開発のポイントは
トリテルペノイド類は、構造的にステロイドホルモン化合物と類似しており、男性・女性ホルモンのバランスに関連する領域での健康効果が期待されます。男性更年期に伴う前立腺肥大症や、女性更年期に伴う骨粗しょう症に対する有用性について、私達の研究グループも一定の知見を得ています。免疫調整や血圧調整作用など、従来の機能性に加え、ホルモン関連領域を中心とした戦略的アプローチが、霊芝の機能性表示食品としての差別化に寄与する可能性があります。
一方、古来より薬効の高い生薬として知られてきた霊芝は、歴史的に病者を対象とした臨床試験が中心だったので、健常者での科学的エビデンスが限定的な点が課題です。もう1つの課題は機能性関与成分の定義です。有用成分のトリテルペノイド類は、種類ごとに薬理作用が異なるため、単一成分で機能性を説明することは困難です。しかし、複数成分群を機能性関与成分として定義するなど、制度上、認められる範囲での工夫により克服できる可能性があります。参考になるのが大豆イソフラボンを機能性関与成分とした届出品。複数のイソフラボン配糖体およびイソフラボンに着目し、それらの構造的特長であるアグリコンに基づき、アグリコン当量として定量化する方法が採用されています。このアプローチは、複雑な成分群を一つの指標に統合する上で非常に参考になります。つづく
詳しくは健康産業新聞1828号(2026.1.21)で
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