特集【医家向けサプリメント】 統合医療や栄養療法でニーズ高まる
厚生労働省が発表した令和6年の国民概算医療費は、前年比0.7兆円増加の48兆円となり、過去最高額となった。75歳以上の保険適用は全体の40%以上となり、高齢者の医療保険は年々増加している。健康寿命延伸は日本の課題であり、政府はこの危機をチャンスに変えるために「健康・医療戦略」等、医療機関と共に様々な政策を行っている。自由診療の医療機関もこの動きに対応するように、国民の健康寿命延伸に向けて取り組んでいる。同省が発表した統計によると、令和5年の19床以下の医療機関は、全国で10万4,894軒。その内、自由診療のみを行うクリニックは1万428軒で前回調査の9,263軒より1割程度増加している。医療機関では、患者の未病予防を推進すべく、診療の一環として、運動・生活習慣の指導などを強化している。これらの流れから、医療機関でサプリメント販売される機会が拡大している。
インテージヘルスケアは「医療機関における物販調査」を発表。全国のクリニック勤務医1,200人に12の物品販売について調査し、最も取扱いが多かったのが「サプリメント」だった。昨年6月25~27日に開催された「Japan Health」内で、『自由診療が切り拓く日本医療の新市場』と題し、現役医師や歯科医師らがディスカッションを行った。登壇者の1人である大阪大学特任教授の澤芳樹氏は、「保険診療は世界に誇れる素晴らしい制度だが、医療費負担や国の財政状況をみると限界が来ている。米国はロンジェビティ(Longevity)に投資を始めている。日本も命に関わるものは別として、ロンジェビティ分野での自由診療の役割が大きくなる」と話す。
医療機関で求められるサプリメントは、エビデンス、高含有、吸収率、徹底したトレーサビリティなどが挙げられる。エビデンス面では、論文数や学会での発表数なども医師が採用する基準となっている。代表的な素材では、ビタミン各種などの基礎栄養素から冬虫夏草、アガリクス、担子菌培養抽出物などのキノコ系はじめ、活性高分子多糖体、有機ゲルマニウム、フコイダンなどを用いたサプリメントが利用されている。統合医療分野では、がんやアレルギーなど免疫疾患の治療補助に、キノコや玄米を独自の酵素技術を活用した免疫サポート製品が古くから利用され続けている。これらの製品は、メーカーによるエビデンスが充実しており、各学会での発表や、各国から100報を超える論文が発表されているケースも多い。
分子栄養学分野にも関心が高まっている。ノーベル賞を2度受賞したライナス・ポーリング博士が推奨する栄養療法で。健康増進および病気の改善を目的に、血液検査と必要な栄養素を分析し、サプリメントを提案する。実際、数千のクリニックでは、分子栄養療法の一環としてサプリメントが定番になりつつある。歯科や美容クリニック、婦人科でもサプリメントの利用が波及。特に歯科領域では、待合室を活用して、オーラルケア製品を中心に、サプリメントの販売など物販の売上が、毎月100万円を超えるクリニックも多い。美容医療ではNMNや水素、SODなど、比較的一般市場で利用されている成分を使ったサプリメントが広がっている。新たな動きとしては、女性の不調を診療するクリニックで、入浴剤を取り扱うケースも見られた。現在、医師がオンラインで入浴方法や食事指導などを行い改善に繋がっているケースもあるという。つづく
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