注目の“健脳”素材/第Ⅱ部【PS(ホスファチジルセリン)】 高リピートで安定市場
脳や神経組織に多く含まれるリン脂質の一種で、ブレインフードの代表格として知られるPS(ホスファチジルセリン)。その機能性研究は、1950年代より欧米でスタートした。PSには、脳の血流を改善し脳細胞を活性化させる働き、脳内物質の伝達をスムーズにする働きなどの機能が確認されており、アルツハイマー型認知症、加齢に伴う記憶力低下、抗うつ、てんかん患者の発作改善、ストレス耐性向上、体内時計の異常修復、甲状腺ホルモンの分泌リズムの正常化 ―― など、多岐に亘る基礎・臨床試験の結果が報告されている。PubMedによると、1950年1月〜2026年1月までの間にPSに関して2,000報を超える論文が投稿されている。また2025年の1年間にPubMedに投稿されたPSを用いたランダム化比較試験による臨床試験データは5報。高齢MCI患者や健常児童を対象とした有用性が報告されている。
様々なエビデンスを有するPSは、米国では2003年、高齢者の認識力低下や認知症リスクの軽減に対し、米国食品医薬品局(FDA)から「限定的強調表示」を容認されている。また、韓国でも2013年にPSを300mg配合したサプリメントに対し、韓国食品医薬品安全庁(MFDS)から「高齢者の認知力の低下をサポートする」旨の機能性表示が認められている。一方、日本国内では、2017年12月にPSを機能性関与成分としたサプリメントが、初めて機能性表示食品として受理された。1月14日時点で、累計19品(撤回分は除く)が機能性表示食品として受理されている。2025年1月にはビーエイチエヌ、同年9月には日油が、それぞれ「PRISMA2020」に準拠した届出で受理されている。PSの機能性表示内容は、「大豆由来ホスファチジルセリンは、記憶力が低下した健康な中高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)の維持をサポートすることが報告されています」で、1日摂取量は100mgとなっている。
PSの機能性表示食品は、受理件数自体は多くはないものの、大手・有力企業による受理も目立つ。PS単体ではディーエイチシー、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体とPSの組み合わせでは雪印ビーンスタークやノエビア、プロポリスエキス(指標成分:アルテピリンC、クリフォリン)、クルクミン、イチョウ葉;由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンとの組み合わせでは山田養蜂場、クルクミン、フェルラ酸とPSの組み合わせでは小林製薬がそれぞれ受理されている。PS配合の機能性表示食品『記憶生活』を国内で最初に発売したセニエによると、機能性表示食品および、その他PS配合サプリメントは、「優れた体感が特長で、高リピート率に支えられ、安定した売れ行きを示している」という。つづく
詳しくは健康産業新聞1828号(2026.1.21)で
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