連載㉓【薬局・薬店の新規事業】 “薬を売らない薬局”、特産「藍」でコスメ開発
調剤薬局を展開する㈱ボンアーム(徳島市南内町)は、2006年設立で、調剤薬局経営ほか、食育事業と共に、徳島県特産の藍を使用した食品や食器などの開発・販売を手掛ける藍事業を展開。このほど、新たに化粧品の製造販売に着手した。もともと薬局経営の中で、薬で改善しないケース等から、患者の生活習慣を見直すことの重要性に着目。また、徳島県が糖尿病死亡率や野菜摂取量で全国ワースト県である点にも危機感を感じ、2010年より無農薬野菜を使用したスイーツなどを提供する野菜専門店を開店した。
その中で、藍の生産者との交流をきっかけに、藍染に使う「蓼藍(たであい)」が古くから薬草として親しまれていたことや、徳島が江戸時代に藍の産地として栄えたことなど、その歴史的価値と潜在的な効能に魅了され、食用藍の事業に着手。当時、蓼藍の葉や茎が食用として登録されていなかったことから、農水省オープンイノベーション「藍に関する研究開発プラットフォーム」にて、産官学連携で研究と食習慣の実績を積み重ね、2020年 7 月に「藍」を国の食品として登録に成功。現在、生葉だけでなく、粗砕や粉末状など様々な食用藍の原料を製造販売しており、「サプリメント用途でも実績がある」(同社代表・三谷芳広氏)という。
化粧品については、藍茶製造の過程で排出される水分の利活用に着目し、藍の新規事業として地域資源の有効活用と、藍文化の発信に寄与すべく、藍葉の化粧水製造について模索。2023年に化粧品製造業許可を得、国の補助金も活用して6,000万円の設備投資を行い、徳島市内に化粧品製造機器を導入した製造拠点を設けた。2024年12月には、藍文化を伝える地元の基幹施設「藍の館」(同県藍住町)の指定管理者に選定され、徳島特産の藍を使用した化粧品製造に着手。藍茶で認知される藍葉の抗炎症作用を活かし、化粧水と石鹸を開発。既に県内で美容関連商品を販売する会社に、OEMとして石鹸を納品済みのほか、藍葉の抗炎症作用から、敏感肌の人の利用などを想定した引き合いもあり、「既に県内外の医療機関数件から声が掛かっている」という。つづく
詳しくは健康産業新聞1828号(2026.1.21)で
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