連載㉒【海外ヘルスケア最前線】 2026年・欧米市場の注目領域は? AI技術も活用拡大に
欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役の田中啓之氏が、海外ヘルスケア市場の最新動向などを紹介する。
年末年始にかけて、2026年の欧米サプリメント市場予想に関する記事が散見されました。その中でも、在豪州のマーケティング代理店である6AMAgency社が発表した『Trends 2026』レポートの内容は特に示唆に富んでおり、今回はその一部を紹介致します。同レポートでは、欧米のサプリメント市場が2026年から構造的な転換期を迎えていると指摘しています。「変化が一時的ではなく恒常化した時代」と位置づけ、業界に対して従来型の発想からの脱却を求めている点が興味深いところです。その背景には、AI技術の急速な進展があります。サプリメント分野においても、AIは原料探索、処方設計、エビデンス評価、さらには、国別の法規制対応にまで活用され始めています。NutrifyGenieやIngredients AIといったプラットフォームは、各市場で許容される成分や機能性表示の妥当性判断を支援しており、今後は誇張や曖昧な表現が一層通用しにくくなると予想されています。
また、同レポートでは、信頼性の重要性についても繰り返し言及。サプリメントや健康情報に対する消費者の目は年々厳しくなっており、第三者による検証やエビデンスの開示、原料調達の透明性がブランド選択の前提条件になりつつあります。逆に言えば「信頼」こそが大きな差別化要因になることを示唆しています。具体的なトレンド領域としては、「ミトコンドリアの健康」など長寿領域に関するテーマへの関心が高く、市場は2032年まで年平均7.2%の成長が予測されています。フェムケア領域についても関心が高く、大きな成長余地を有すると示唆。同市場は、2040年までに1兆ドル規模へ拡大するとの試算も出されています。さらに、GLP-1作動薬ユーザーの増加も無視できないトレンドとなっており、その副作用としての栄養素不足や整腸作用を補完する「GLP-1 Support 2.0」も注目される領域です。つづく
詳しくは健康産業新聞1828号(2026.1.21)で
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