ZOOM UP【クマ笹】 広範囲なエビデンス背景に、用途拡大続く

 価格高騰を背景とする製品リニューアルや原料見直しなどにおいて、エビデンスの豊富な国産素材であるクマ笹の評価が高まっている。日本では古くから食品の腐敗を防ぐ抗菌・保存性の高い包装材としてチマキや笹寿司、食品でも酒や飴、饅頭などに用いられてきた。漢方生薬では“悪疫を祓う”ともいわれ、「本草網目」には、「呼吸器系、咽喉の疾患に効き、腫瘍を消す」と収載されている。主に北海道を中心に、青森、新潟、長野などで自生するイネ科の単子葉類ササの一種で、60〜120年間に亘り地中の成分を吸収し続け、寒冷地の雪の中でも枯れずに越冬できるほど生命力の強い植物として知られている。

 

 こうした伝統的なストーリーに加え、サイエンティフィックな面からも健康に寄与する様々な側面を持つ。クマ笹にはビタミン・ミネラル・アミノ酸・葉緑素などの栄養素が豊富で、サプリメントでは、有効成分として着目され、研究されてきた“多糖体”の含有量が高いことで知られる。多糖体”は、細胞膜損傷部と相互に親和性を有することから、細胞膜の傷ついた箇所を補強・修復する機能が示唆されている。東京薬科大や星薬科大など薬学系のアカデミアを中心に、クマ笹の持つ免疫賦活作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗ウィルス作用、抗ストレス作用など広範囲に亘るエビデンスが確認されており、日本薬学会や日本臨床獣医学会などで報告されている。

 

 サプリメントとしては、高齢者層を中心にクマ笹エキスの愛用者が多い。1杯数滴で飲用する濃縮原液をはじめ、顆粒エキス末、粉末ティーバックなど茶類の提案が主流だが、高額商品であるため、調剤薬局や催事販売など説明販売ルートを中心に底堅く推移している。コロナ禍における免疫への関心の高まりから、主剤や副材として検討するメーカーが増加。価格高騰の中、伝統的な“ジャパンハーブ”として新商品開発やリニューアル品への採用も増えている。インバウンド回復基調も追い風に、北海道などを訪れる訪日外国人をターゲットとした商品にも数多く採用されている。サプリ以外では、耐熱性、汎用性に優れ、抹茶のような美味しさを持つ点から、スムージーやバウンドケーキ、クッキーなど一般加工食品・製菓用途への新たな提案も進んでいる。

 

 近年は、青汁については、市場が飽和状態といわれる中、差別化を図る目的でクマ笹の採用が伸びている。昨年、創業100周年を迎えたユニアルでは、2021年にクマ笹初の機能性表示食品として、「整腸」関連(便通改善、腸の健康に役立つなど)、「便臭改善」のヘルスクレームが受理されており、青汁製品での採用が続伸中だ。青汁素材として唯一「便通・便臭の改善」のヘルスクレームに対応する点や、無添加である点などが販社から注目されており、「供給量は順調に増えている」という。つづく

 

 

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