特集【ヒト幹細胞コスメ】 “肌再生”追求の“高級スキンケア”として続伸

 ヒト幹細胞コスメの市場が拡大している。再生医療分野で培われた技術がコスメに応用され、“肌再生”を追求する高級スキンケアカテゴリーとして定着。美容クリニックやエステサロン専売のプロ用から、DgS、百均ショップ等のホームケア用に至るまで販売が広がっている。コロナ禍以降に拡大してきた通販においては、SNSやインフルエンサーによる影響も大きく、TiktokやInstagramにおける「幹細胞美容液」「エクソソーム美容液」「リジェネレーティブスキンケア」などの情報発信がバズり、若年層への認知も急上昇。女性向けだけでなく、美意識の高い男性向けの提案も見られ、従来の中高年層だけでなく、若年層に至るまで幅広く関心が高まっている。本紙化粧品受託調査(化粧品受託メーカー119社回答)によると、人気素材ランキングで、幹細胞培養液・エクソソーム(ヒト・植物含む)は、2025年上期2位、下期1位と上位にランクインしている。

 

 ヒト幹細胞コスメは、化粧品市場で話題の名称だが、「幹細胞のコスメ」ではなく、正確には、「幹細胞の培養上清液(ばいようじょうせいえき)を配合したコスメ」の意で幹細胞は入っていない。培養上清液とは、幹細胞を培養した後、その幹細胞および不純物を取り除き、上澄み部分だけを分離した液体で、近年は“幹細胞培養液”として認知される。細胞間の情報伝達物質として話題のエクソソームを含め、様々なグロスファクター(細胞増殖促進因子)やサイトカイン(生理活性物質)などを含有する。幹細胞には、失われた細胞を再生して補い、組織の機能を回復させる働きがある。その増殖の際、成長因子と生理活性物質を分泌する。

 

 再生医療においては、幹細胞の中でも、“再生医療のための細胞源”として間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)が注目されている。間葉系幹細胞は、細胞分裂して増殖する自己複製能だけでなく、筋肉や骨、神経などに分化する多分化能を持つ。また、遺伝子操作を要するiPS細胞や、初期の受精卵からしか得られないES細胞と比べ、脂肪や骨髄などから採取でき、腫瘍形成の危険性の少ないことなどからも、様々な臨床研究が進んでいる。培養に用いられるヒト幹細胞由来の幹細胞は、脂肪由来や臍帯由来、毛乳頭由来などがある。化粧品原料では、ヒト幹細胞順化培養液、ヒト脂肪由来幹細胞順化培養液、ヒト骨髄幹細胞順化培養液、ヒトサイタイ間葉幹細胞順化培養液、ヒトサイタイ血幹細胞順化培養液などが流通。日本化粧品連合会の化粧品成分表示名称リストには幹細胞順化培養液として11月現在24件が登録されている。なお、㈱ホルスの『毛根幹細胞培養液』は、米国の世界的な化粧品団体PCPC(Personal Care products Council)でINCI・表示名称を取得している。つづく

 

 

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