連載②【シン・EC 戦略】 台湾越境EC編Part② 健食と化粧品の輸入規制の違いを知る

健食・化粧品のECトレンドに関する連載。2回目となる今回も、アジアンブリッジ㈱(東京都千代田区、台湾法人:台北市)の阪根嘉苗社長に台湾市場での越境ECの極意について聞く。

 

―― 化粧品販売に必要なPIF(Product Infromation File)とは

阪根氏 台湾で化粧品を販売するための届出制度が、昨年7月に施行され、段階的に2026年中には全化粧品に適用されます。製造方法や毒性試験など16項目に至る試験結果を、中国語または、英語で作成しなければなりません。書類作成後は専門家からのサインが必要なのですが、そのサイナーは、台湾の医学部や薬学部、化粧品学部卒業者などに限定され、サインを貰うのに数十万円も掛かるなど、販売のハードルが一気に上がりました。PIF施行により、これまで台湾で販売してきた中小化粧品メーカーの販売が難しくなると共に、並行輸入業者が消えていくと思われます。並行輸入がなくなることは、日本メーカーにとっては良いことですが、それ以上に煩雑な手続きから、撤退する企業も出てくると予想されます。一方、越境ECは台湾の法律外にあるので、引き続き化粧品販売が可能です。

 

―― 化粧品は越境ECが有利か

阪根氏 少量販売であればいいのですが、台湾で売上を立てるという点では、伸びしろはありません。PIF作成に対応してくれる日本のOEMメーカーで製造し、現地パートナーと組んで販売するのが正攻法です。越境ECは消費者が月2,000元以上を6ヵ月間購入すると、関税が5%以上掛かります。消費者の大半は2,000元を超えないような買い物をします。例えば最近人気の化粧品やプロテインも2~3袋買ったら2,000元程度は超えてしまいます。

 

―― 台湾のモール系で売るには

阪根氏  台湾では、日本の楽天のような大手ECモールはMOMOというサイトです。MOMOで扱われることは、台湾で成功する一つの販売手法と言えます。MOMOに出品するには、現地法人対MOMOとの契約が必須となります。現地での倉庫があるか、会社売上、現地の謄本提出など、厳しい審査があるため、当社のように現地法人がある代理店か、現地のディストリビューターを通さないと、出品が難しいのが現状です。同モール内では、ロートや花王、DHC、オージオなどが売上上位を占めていますが、当社がサポートしている企業もランキングしています。

 

 一方、プロテインは日本製品は、明治など一部のメーカーしか販売されていません。関税や規制成分など、輸出のハードルが高いからです。別の見方をすれば、健食は輸出の壁を乗り越えれば、潜在市場は高いと言えます。越境ECはテストマーケティングと捉え、テスト販売後は、輸出できる成分や処方に作り変えるか、現地で製造し、パートナー企業と組んで、知名度のあるサイトで販売するのが成功の近道です。つづく

 

 

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