別冊【九州~健康・美容産業~】 九州健食、アジアで頭角
九州は通販メーカーが多く、健康食品の開発が盛んだ。中小企業による機能性表示食品の届出も多く、九州7県の機能性表示食品の累計届出数は、1,200品を超えた。機能性表示食品全体の1割以上を占める。届出数が最も多い県は、福岡県で東京都、大阪府に続く3位。届出数が多い企業は、トップの東洋新薬をはじめ、Milim、ZERO PLUS、ハーブ健康本舗など。福岡県の届出数が多い理由の1つは、機能性表示食品の開発などに対する支援体制が充実していることが挙げられる。福岡県では、「創薬」と「食品」を中心としたバイオ産業の育成、集積を推進。福岡県バイオコニュティ推進会議(事務局:久留米リサーチ・パーク)が窓口となり、県内事業者を対象に機能性表示食品の届出に向けた様々な支援メニューを用意している。利用事業者の累計届出数は290品を超え、事務局では、「各種支援の運用から12年、事業者の製品開発力の底上げに繋がり、一定の成果が出ている」と話す。
通販メーカーが多い九州では、健康機能を消費者にダイレクトに伝えられる機能性表示食品の商品ラインアップを図る動きも。ただ、販売メーカーからは、「主力製品を超える売上には程遠い状況」「機能性表示食品シリーズとして販売しているが、終売品もあり、ラインアップの絞り込みをする」といった声も聞かれた。通販メーカーの動向をみると、比較的堅調に推移している様子がうかがえた一方、各社、先を見据えた事業戦略を展開。顧客の若返りを図るマーケティングや、通販以外におけるマルチチャネル化の推進、一般食品の商品拡充、化粧品事業の強化、異業種での事業拡大などの活動がみられた。
九州地域は、青汁素材や雑穀類、ビワ、大麦、カボス、菊イモ、サツマイモ、イチゴ(あまおう)、バナナ、ブルーベリー、ライチ、オクラ、オリーブ、キノコ類、黒酢、エゴマ油、藻類、馬油――など、多彩な農林畜水産物の宝庫。健康機能を加えた特色ある機能性素材が流通する。特に青汁素材は種類が豊富で、大麦若葉、ケール、甘薯若葉、イグサ、桑葉、モリンガ、ボタンボウフウなど、九州地域は、今や一大生産地となっている。安定供給できる環境下も強みに、“地域産物+健康機能”に着目した取り組みが具現化している。九州地域バイオクラスター推進協議会では、九州産素材による「九州健康おやつプロジェクト」を展開。認定商品は32品となり、販路開拓支援を進めている。新たに、「九州からの保存食」をテーマとした商品開発にも取り組んでいる。このほか、食品残渣から生まれたアップサイクル原料の開発や、ブルーカーボン事業を通じた商品ブランドの育成など、持続可能(SDGs)な事業化を目指した取り組みも目立つ。
健康食品受託企業では、東洋新薬、森川健康堂、占部大観堂製薬、九州薬品工業、佐々木食品工業、誠心製薬、日本薬研、Have fun Factory、アダプトゲン製薬九州などが九州に工場を構える。新工場竣工のほか、健康食品GMP、有機JAS、ハラル認定取得など、海外展開も視野に各社、積極的な設備投資を進めている様子がうかがえた。今回の取材で各社からは、「青汁有機JAS製品が好調」「アジア輸出を視野に、九州地域で製品開発したいといった相談が増えている」「ゼリー受託が好調で工場はフル稼働」「海外中心に抹茶の供給量が伸長「展示会で九州産原料の反応が良い」「博多産いちじくパウダーが美容ドリンク向けに供給量が伸びている」など、自社商材・サービスの広がりに手応えを感じるコメントが多数聞かれた。
九州発の化粧品では、伝統素材・馬油が有名。国産馬油は、アジアで支持が高いほか、国内マーケットでは、妊婦の肌トラブルやデリケート対策など、フェムケア商品としての利用が進む。最近は、“低カロリー・高タンパク”でヘルシーな食肉として馬刺し製品が見直されているほか、馬刺しが機能性表示食品(機能性関与成分:イミダゾールジペプチド)にも受理され、健康志向な食品分野でも馬の注目度が上昇している。つづく
詳しくは健康産業新聞1824B号【九州別冊号】(2025.11.19)で
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