特集【スポーツニュートリション】 プロテイン需要が市場底上げ、アミノ酸+注目素材が続々

 運動習慣が幅広い層に浸透する中、スポーツニュートリションの製品開発は活発だ。スポーツ愛好家や健康美を望む女性、アクティブシニアなど、ユーザーの裾野拡大に繋がっている。本紙が今年 6月に実施した健康食品受託加工・製造の上期調査で、受注件数が伸びている商品カテゴリーにおいて、「スポーツニュートリション」は、「美容・美肌」「ダイエット」に続く3位を獲得。 2 年連続でトップ3入りを果たした。人気受注素材ランキングでは、プロテイン、アミノ酸はトップテンにランクインしており、ニーズの高さがうかがえる。

 

 アミノ酸は、筋肉の材料となるアミノ酸、持久力に関わるアミノ酸、運動後の筋肉リカバリーに役立つアミノ酸など、それぞれの成分特長や利用法について、情報収集が以前に比べ容易になったこともあり、ライトユーザーの利用に繋がっている。アルギニン、クレアチン、L-シトルリン、L-カルニチン、HMB、β-アラニン、GABAなどのほか、必須アミノ酸 9 種類を含むEAAなどのブレンド原料が流通。素材ごとの特性を生かした用途提案がみられる。特に、米国人気のクレアチンは複数の原料サプライヤーから、「供給量が伸びている」とのコメントが聞かれた。

 

 機能性表示食品では、「運動との併用で、立つ・歩くなど、自立した日常生活に必要な筋力の維持・低下抑制に役立つ」「運動後の脂肪の燃焼を高める」「運動によって生じる一時的な疲労感の軽減」など、運動表示を組み込んだヘルスクレームが多い。原料・販売メーカーからは、「プレワークアウト素材の問合せが多い」「アンチドーピング認証製品の開発案件が目立つ」「新PRISMAにも対応し、複数社が届出中」「鉄補給サプリとしてアスリートから支持が高い」「猛暑で水分、電解質補給 飲料が伸長した」「競技別サプリシリーズの採用が増えた」など、明るいコメントが多数聞かれた。

 

 プロテインは差別化提案が活発に。10月に開催された「食品開発展2025」では、ホエイ由来や大豆由来のほか、エンドウ豆、ライス由来、ビール粕由来、パン酵母由来、ナッツ由来など、特色ある各由来原料が展示され、来場者の関心を集めていた。ホエイ原料は、米国に加え、ブラジル、インドなどの需要を受け原料価格の高騰が続いている。プロテイン原料では、より高純度に精製された「クリアプロテイン」や、牧草を食べて育った牛を原料とする「グラスフェッドプロテイン」、腸への負担を和らげるプロテイン、美容効果も期待できるプロテインなど、高付加価値化が加速している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1824号(2025.11.19)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら