連載⑳【海外ヘルスケア最前線】 北米健食展「Supply Side Global 」、トレンド変化が例年以上に

 欧米を中心としたヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役の田中啓之氏が、海外ヘルスケア市場の最新動向などを紹介する。

 

 10月29日・30日の2日間、米国ラスベガスで開催された「Supply Side Global(SSG)」に参加しました。SSGは機能性素材の原料メーカーを中心に1,600社以上が出展する北米最大級の展示会です。毎年グループ会社のサポートとして参加していますが、個人的には例年以上に活気があったと強く感じました。まず、とにかく目に付いたのは女性更年期対応を中心としたフェムケア素材としてのシャタバリです。アシュワガンダ大手サプライヤーが上市したシャタバリ新原料は、今回展示会で最大規模の広告投資を行っていました。同社以外にも6社程度が同素材の展示をしていました。日本市場同様、フェムケア領域は業界として注目されていたものの、同領域にフィットする素材がこれまで少なく、その解決策としてシャタバリに殺到している印象です。

 

 そのほかのトレンドとしては、GLP-1の名称を掲げたブースが多数見受けられました。体内でのGLP-1活性を訴求するものから、GLP-1作動薬使用に際しての副作用を緩和するものまで。後者は直接的にGLP-1ホルモンに関与するものではないですが、それだけ同薬への需要が強い証左かと考えられます。ご存じの通り9月末に北米において“復活”したNMNですが、駆け込みでの展示が複数見られました。その中でも、今後の飽和状態を予期しての還元型NMNHやリポソー ムNAD+、NMNのサポート素材など、近々の課題となり得る差別化を目指した展示が散見されたのは面白かったです。そのほか、目立った展示としては剤型のバラエティー化でしょうか。グミサプリの展示は今や王道に。現地で聞いた話しでは北米サプリ市場では20〜25%程度がグミ剤型に置き換わっているとのこと。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1824号(2025.11.19)で
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