【トップインタビュー】 新たな技術開発、“法・哲学”の視点を
一般社団法人健康ビジネス協議会 会長/㈱ブルボン・代表取締役会長 吉田 康 氏
健康ビジネス協議会(事務局:新潟市中央区)は、異業種交流によるビジネス創出に取り組んでいる。アパレル業界と建築業界の知見を活かした『肚力VEST(はらじからべすと)』はこのほど、社会課題解決やイノベーション創出を促進する内閣府の“総合知の活用事例”に認められた。健康ビジネスに求められる昨今のキーワードについて、会長の吉田康氏に話を聞いた。
環境問題と健康問題は密接に関係しており、広義では気候問題も含まれる。気象庁の発表によると、かつて経験したことのない災害の可能性があるという。災害発生時における健康ダメージの回避について、日常的に対策を講じていく必要がある。ローリングストックの視点を普段のビジネスに活かしていかなければならない。包装に関する新たな技術開発などは多方面に及ぶものであり、新たな技術開発は今後も求められていく。科学技術は方向性を誤ってはならない。とりわけモノづくりに関するものは、法的な問題やその根底にある哲学も併せて議論していく必要がある。昨今ではAI技術も加速してきた。フェイク映像などの誤った情報や使い方は、お互いの分裂を生み出す危険性もはらんでいる。この技術革新期において、ドラッガー理論“商品とサービス”が道しるべになる。単なるモノ売りからの脱却を図っていく必要があるのだと思う。
食やエネルギー、通信インフラの充実は日本の高齢化に寄与してきた。一方、ウェルビーイングに繋がる寿命延伸は道半ば。社会保険料負担などの世代間争いに繋がっては意味がない。健康長寿について、新知見に基づく新たなビジネスをスタートさせたい。2030年に向けたSDGsは、平和持続と健康的暮らしを目指している。組織や社会の視点では、“健全”という言葉で表される。人の健康と社会の健全はイコールでなければならず、精神的不調など生み出さない健全な社会組織を目指すべきだ。経営は従業員や顧客の健康配慮が根幹のひとつであり、経営体や社会は健全性のロールモデルになっていかなければならない。産学官ではない自治体連携があっても良いと思う。姉妹都市関係をもつ海外コラボもあり得る。地域の“域”と技術領域の“域”を重ねた“域域”連携の提唱で、新たな健康ビジネスを生み出していきたい。つづく
詳しくは健康産業新聞1823号(2025.11.5)で
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