特集【ウコン】 関節ケア・認知機能対応で、市場拡大に期待

 新型コロナウイルスの感染拡大、外出自粛による飲酒機会・交流の減少などを背景に、200億円(2020〜2021年)を割り込んだウコン市場は、2022年以降は回復基調に。今回の本紙調査では、ピーク時には及ばないものの、250億円のマーケットサイズを堅持していることがわかった。市場の大部分を占めるドリンク製品の盛り返しに加えて、機能性表示食品を中心に、関節サポート、脳機能対策(記憶力・注意力の維持)分野での製品化が進んだことが背景にある。市場をけん引する、ハウスウェルネスフーズ(ウコンの力)、ゼリア新薬工業(ヘパリーゼ)のドリンク2強の状況見ると、両社とも、新商品投入、新成分配合で差別化を図り、次世代ユーザー(若年層・女性層)の開拓に舵を切る。ウコンドリンク市場では沖縄勢の攻勢も。金秀バイオでは『うこんの伝説』『泡盛マイスターが健康を想って考えたウコンドリンク』を展開。沖縄長生薬草本社では、二日酔い対策ドリンクとして『酒豪伝説』を新発売、CVS、量販店での展開をスタートする。

 

 日本市場で最も認知されているウコンの機能性は「アルコール・二日酔い対策」「肝機能対応」。一方、海外市場では、「抗炎症素材」として、サプリメントや一般食品のキーカンパニーが採用している。主要成分であるクルクミンは、本場インドでは“天然のステロイド”と称され、欧米では、抗炎症作用を活用した美容・アンチエイジング、ジョイントサポート、スポーツニュートリションサプリメントが数多く流通している。ウコンの輸出を手掛ける商社によると、「海外では二日酔い対策で、日本では抗炎症素材として、新たな用途開拓に期待している」としている。健康食品CDMOによると、「ここ1、2年、フェムケア、関節サポートの分野において、メイドインジャパンのウコンサプリメントの輸出案件の問い合わせは多い」とのコメントもあった。

 

 機能性表示食品として、ウコンの受理数は増加傾向にある。クルクミンを関与成分とする累計受理数は36品に。「肝機能対応」(ハウスウェルネスフーズ:関与成分・クルクミン、ビサクロン)をはじめ、「年齢とともに低下する認知機能の一部である記憶力、注意力及び空間認識力を維持する」(オムニカ)、「運動後の一時的な疲労感を軽減」(トレードピア)など、ヘルスクレームのすそ野が広がっている。近年では、諸外国でポピュラーなウコンの機能性であるジョイントサポート領域での受理が目立つ。「3つの膝機能をサポート」(アピ)、「ひざ関節の悩み軽減」(トレードピア)が代表的。前者は、ウコンエキス(指標成分:ウコン多糖類、p-クマル酸)を関与成分に受理されたもの。「日常生活における階段上りなどの歩行時における膝の違和感軽減、膝の柔軟性向上、膝周囲の筋力維持」の表示が可能。総合受託メーカーのアピでは、OEM/ODM供給を推進している。後者はトレードピ アの『TurmXTRA®』。「低用量」「高吸収」を差別化に、原料供給を本格化している。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1823号(2025.11.5)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら