特集【青汁】 堅調推移も、拭えぬ先行き不透明感

 健康産業新聞の調査で2018年の市場規模が1,060億円(前年比98%)となり、11年連続の成長が阻まれた青汁製品。今回本紙では、今年上半期の動向を主力メーカーへの取材およびアンケートで調査した。その結果、今年上半期の青汁製品の動向は、概ね昨年上半期と同等の動きで、横ばいの状況で推移していることがわかった。

 昨年の市場では、上半期は概ね好調に推移し、下半期に外的要因による落ち込みが見られたことで成長にブレーキが掛かったことを考えれば、好調だった昨年上半期と同等の動きというのは、決して悪い話ではない。ただ、本紙が毎年行っている受託製造企業への調査(有効回答73社)では、今年上半期の人気受注素材ランキングで青汁は8位となり、昨年調査の4位から大幅に順位を下げた。しかも下半期予想でも昨年3位に対し、今年は8位のまま。青汁は例年3~5位の上位が定位置だっただけに、本調査結果にはいささか懸念が残る。

 今回の取材および調査でも、上半期2ケタ増や2ケタ近い増との回答と、2ケタ減や数%減といった回答が見られ、企業や販売チャネルによって二極化の様相が見られた。各社の売上に占める青汁製品のボリュームの大小もあるため一概には言えないが、昨年の調査と比較すると、明暗が顕著化した印象だ。

 実際、今年上半期の青汁製品の市場では、大型の新製品情報や2年前のフルーツ青汁のように話題を集めるような商材がなかった。こうした中、下半期の業況予想でも大半のメーカーが上半期と同様の回答をしており、前向きに捉えれば青汁製品が定番商材として安定しているとも言える一方で、先行き不透明感が拭えないモヤモヤした状況が見て取れる。

 今年上半期の青汁製品の動向は、店舗ルートで展開するメーカーの多くは、好調ないし横ばいとの回答が多く聞かれた。経済産業省の「商業動態統計」でも2018年度のドラッグストアでの健康食品販売額は前年度比で7.1%増となっており、今年上半期の主要ドラッグストア各社の決算でも健康食品販売の好調ぶりがうかがえる。なかには好調の理由に青汁製品の伸びを挙げるドラッグストアも見られる。またスーパーや量販店ルートで展開するメーカーも2ケタ前後の伸びを示しているところが少なくなかった。

 一方で、通販ルートで展開するメーカーでは一部を除き、苦戦したところが多く見られた。実際、(公社)日本通信販売協会の調査でも、今年4~6月累計の健康食品の通販売上高は前年同期比2.5%減となっており、同協会の話では傾向として青汁で苦戦が続く企業が見られたとのことだった。つづく

詳しくは健康産業新聞1674号(2019.8.21)で
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