ZOOM UP【ショウガ】 サポート成分配合で差別化も
ショウガは熱帯アジア原産で、インドや東南アジアなどでは古くから胃腸機能の回復や下痢治療などに用いられてきた。特に中国の漢方医薬では生のショウガを「生姜(ショウキョウ)、乾燥させたものを「乾姜」と呼び、漢方薬の多くでショウガが重宝されてきた歴史がある。身体を温めて発汗させる作用や、咳を鎮める作用、内臓の冷えを温める作用などが知られている。ショウガに含まれる辛味成分の代表格は、ジンゲロールとショウガオール。生のショウガに多く含まれる成分・ジンゲロールは、末梢の血管を拡張させ、血行促進の働きのほか、黄色ブドウ球菌やピロリ菌などに対する殺菌、抗菌作用も認められている。ショウガオールには、血管拡張作用があることから、主に胃腸などの体内中心部を温める効果が期待される。国内市場では、タブレットやカプセル、パウダー、液体品などのショウガサプリが出回っている。ブランドオーナー各社は機能性表示食品はもとより、サポート成分配合や国産、蒸し製法によるショウガオール増量などの差別化提案を進めている。
サポート成分で差別化を図った商品は、ブラックジンジャーにタンパク質やアミノ酸をバランスよく配合したサプリのほか、血流改善が期待できるヒハツエキス(ピぺリン)や梅エキス(メフラール)をミックスしたもの。ショウガを蒸して乾燥することでショウガオールを増量したり、葉酸をサポート成分とするサプリなどが上市されている。形状別では料理や飲み物に混ぜることができるパウダータイプも。最近では、コーヒーや紅茶、味噌汁、スープなどに加えることができるパウダーほか、ショウガの辛さを抑えたシロップ風の液体など商品のバリエーションが増えている。「ショウガ=冷え対策」のイメージを浸透させた代表格は、スープにショウガを配合した商品『冷え知らずさんシリーズ』(永谷園)。国内市場でのヒット以降、各社による商品開発が活発化した。ショウガ湯やショウガハチミツといった定番商品のほか、近年では甘酒や青汁、ドリンク、菓子などの商品化も。ドリンクでは高級スーパーの成城石井が『生姜10倍エクストラスパイシージンジャーエール』を発売するなど、利用形態の裾野が広がりをみせている。つづく
詳しくは健康産業新聞1821号(2025.10.1)で
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