特集【サラシア属植物】 サラシアの安全性に問題なし、風評被害払拭へ
サラシア原料の一部に意図しない葛根湯エキスの残留物(エフェドリン)が混入していたことが茨城県保健所による買取調査でわかった。エフェドリンは本来、サラシア原料(原木)には含まれない成分であり、原料一次加工時のコンタミがあったと判明。製造元はラインの洗浄管理が原因だったことを認め、製造ラインの洗浄管理・製造記録の見直しなど、今後の対応策を発表した。混入したエフェドリンの含有量は、市販の風邪薬に含まれる量の10万分の1未満であることがわかっている。効果を発現しない程度の無影響量であり、健康被害の報告も入っていない。健食業界にとっては対岸の火事ではない。健食原料サプライヤーは改めてリスク管理を一段と徹底する必要が高まっている。こうした中、サラシア属植物普及協会の会員各社は改めて品質管理の徹底を図っており、サラシアの安全性や品質に問題ないことをアピール。機能性表示対応やサラシノール規格化、新たな用途提案や知見構築に取り組んでいる。
サラシア属植物に関する知識の普及、商品拡大、原材料・製品の品質向上など目的としたサラシア属植物普及協会は今年、設立13年目を迎えた。昨年は消費者庁が対応を求める国際指針「PRISMA声明(2020年)」に準拠したSRを作成済み。今年4月の新様式にも対応しており、今後は年1回の「自己点検」義務化にも対応していく方針だ。同協会が現在注力しているのは、安全性や品質に対する情報発信。機能性表示食品の変更点に関する初歩的な疑問に対しても手厚く対応していきたいとしている。定期的な勉強会も昨年からスタートしており、今年8月には会員対象のオンラインセミナーを開催。約50人が聴講した。㈱薬事法マーケティング事務所・代表取締役 渡邉憲和氏を講師に迎え、「消費者庁届出のポイント」をテーマに解説した。来期は景品表示法における表示に関するセミナーも予定している。
市場では、サラシアドリンクの提案が本格化しそうだ。シールドラボによると、「ペットボトル形態の商品開発はこれまで、芽胞菌がネックとなっており、充填ラインに入れることができなかった。芽胞菌を除去した100%エキス末を間もなく供給する見込みで、今後は茶系飲料などの提案を強化していきたい」という。また最終製品では、サラシア由来サラシノールを関与成分とする機能性表示食品が133品届出受理(9月16日現在)されている。「糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇をゆるやかにする」「腸内環境を整える(おなかの中のビフィズス菌を増やす)」旨の表示で受理されており、サプリ形状から一般食品まで、バリエーションに富んだ商品化が進んでいる。タカノ㈱は機能性表示食品『サラシア リッチプラス』を展開。美容系展示会は、全国のエステサロン、美容院、ネイルサロン、リラクゼーションサロン、ヘアサロン、スパなどの関係者の興味関心が高かったという。サプリメントでは、『メタバリア』が販売累計2,300万個以上のセールスを記録。調査会社・インテージがまとめたダイエット食品カテゴリー(2020年5月〜2025年4月)では5年連続売上トップを記録している。つづく