ZOOM UP【アレルギー対応素材】 症状緩和にサプリメントの活用広がる
健康経営課題としても注目高まるアレルギーは、細菌・ウイルスなどを排除する人体の免疫異常で引き起こされる。発症機序や悪化因子については、生活環境やライフスタイルなど多様かつ複合的な背景が絡むため、病態の解明はいまだ不十分だ。医療現場では、抗原回避を中心に生活環境の確保や改善、抗炎症剤等の薬物療法による長期的対処療法など、症状緩和を主体に行うのが一般的となっている。
2015年施行の「アレルギー疾患対策基本法」第二条によると、主要なアレルギー疾患は、「気管支ぜん息」「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「花粉症」「食物アレルギー」とされる。なかでも花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、季節性と通年性を含め、国内で2人に1人が悩まされている“国民病”であり、年々増加傾向にある。疾患増加の背景には、生活環境の変化や、疾病構造の変化などが指摘されている。近年は、休職や欠勤のように可視化できず、会社に出勤していても業務効率が落ちる「プレゼンティーイズム」の要因としても問題視されている。経済産業省「健康経営ガイドブック」にも定義が記載され、健康経営における重要な課題として注目されている。
アレルギー疾患の中でも、年々罹患者が増加傾向にある花粉症について、内閣府では、2023年5月に「花粉症に関する関係閣僚会議」を初開催。「花粉症を含むアレルギー性鼻炎の有病率は約10年ごとに10ポイント程度ずつ増加」「保険診療の医療費は約3,600億円、市販薬約400億円」など、花粉症の全体像について実態を報告。さらに、花粉症対策三本柱として、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)の推進など「発症・暴露対策」とともに、「発生源対策」「飛散対策」に取り組んでいる。花粉症の飛散シーズンには、全身の倦怠感を併発するケースも見られ、仕事や勉強への影響を感じる人が多い。主な感染経路は皮膚と口の2種類。医療機関や薬局・薬店では、症状緩和の目的で、サプリメントに関する相談対応や情報発信が増えている。鼻アレルギーに関しては、花粉だけでなく、ダニやカビのほか、ペットの毛や、エアコンによるハウスダストなどが原因で発症するケースもあるなど通年性の問題となっている。
アレルギー反応を抑える作用が期待できる栄養素には、ビタミン、カテキン、乳酸菌、ポリフェノール、DHA・EPA、食物繊維などが認知される。素材としては、代表的なシソをはじめ、グァバ、ワサビ、オリゴ糖などのほか、青蜜柑、ジャバラ等の柑橘類、甜茶、べにふうき、ルイボス等の茶類、乳酸菌、酢酸菌、ビフィズス菌といった菌類、アラビノキシラン、エキナセア、ケルセチンなど様々な原料が流通している。つづく
詳しくは健康産業新聞1819号(2025.9.3)で
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