【話題追跡】 コスメに続きサプリでも、 アプリケーション差別化進む
国民のセルフメディケーション意識の高まりを背景に、国内のサプリメント業界は隆盛を極めている。一方で、機能面や技術面など中身の差別化は行きつくところまで行った感が見られ、次の差別化戦略としてビジュアル的な要素が重要視され始めた。陽進堂が昨年上市したコーティングビーズは、有用成分の体内吸収のコントロールが最大の目的だが、「透明カプセルに充填した際のビーズのカラーが映えるなど、ビジュアル的な差別化にも繋がるとの引き合いが相次いでいる」という。大手受託メーカーの担当者からも、「内容物はもちろん、容器・包装を含め、他社にはない製品を求める取引先が増えている」とのコメントが聞かれる。
ビジュアル的な差別化に直結するのが、製品の顔となる容器・包材だ。同分野で日本が大きく遅れを取っている相手が韓国だ。ある化粧品受託メーカーの代表が「おしゃれで可愛い容器を次々に発表してくる韓国のスピード感は脅威だ」と語るように、化粧品業界では韓国コスメの容器・包材の評価は非常に高く、SNS時代に映える容器を次々に発表、既に韓国コスメがアジアのトレンドの最先端を走る状況になっている。今では国内の多くの化粧品ブランドオーナーが、韓国製の容器・包材を採用するまでになっている。
今年に入り、サプリメント業界にもその流れが押し寄せている。本紙8月20日号の連載「海外ヘルスケア最前線」で、Octroll社の田中啓之社長が、韓国市場で広がるサプリメントの新形態容器を紹介。差別化戦略として様々な容器が登場していることをレポートしているが、なかでも現在話題を集めているのが、今年5月にロート製薬が発売した『モコラ』に採用された上部に錠剤やカプセル、下部にショットドリンクを充填する一体型容器だ。ショットドリンクで錠剤・カプセル等を流し込むというもの。5月には原料商社のサンエフが、韓国の受託製造企業・NATURALWAY社と提携し、一体型容器のOEM提案を進めていくと発表、8月には飲料・ゼリー受託のVIVIDも、同様の一体型容器のOEMを開始すると発表した。他には、佳秀工業が、片手で完結できるカート型液体パウチのOEMを展開。液体や油の充填に向いており、食品・化粧品双方に対応できる容器。世界的なMLM企業などに採用されているという。つづく
詳しくは健康産業新聞1819号(2025.9.3)で
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