ZOOM UP【幹細胞培養液/エクソソーム】 化粧品が人気、健食も利用広がる
化粧品関連の展示会では、ヒト幹細胞培養液やエクソソームの展示が、年々増えている。本紙が今年6月に化粧品受託企業を対象に行った調査(有効回答119社)では、今年下期の人気受注素材のトップ予想は「幹細胞(ヒト・植物含む)」だった。ヒト幹細胞コスメは2015年頃からエステサロンや美容クリニックで人気に火が付いた。ヒト脂肪由来幹細胞コスメをはじめ、現在は歯髄や臍帯、臍帯血を由来とするヒト幹細胞コスメも流通する。美容クリニックの物販、エステサロンの専売品、MLMなど対面販売ルートを中心に、関連商品の上市が相次いでいる。
さらに、幹細胞が分泌する「エクソソーム」と呼ばれるタンパク質も注目されている。エクソソームは、幹細胞から分泌される微細な細胞外小胞。CD63と呼ばれるタンパク質を保持しており、細胞間の情報伝達の役割を担うことから再生医療分野で利用が期待されている。化粧品では効果効能は謳えないが、エクソソームを配合したエイジングケア向け化粧品の開発は広がっている。エステサロンや化粧品メーカー関係者からは、「エクソソームは、きちんとしたエビデンスがある成分」「研究が始まった成分で様々な可能性が広がっている」などの声が聞かれた。
食品用途では、2~3年前から、プラセンタに含まれるエクソソーム入りサプリメントが発売され注目を集めた。大手のエステサロンでもエクソソーム入りプロテインを発売するなど美容系ブランドからジワリと広がっている。パイナップルのプラセンタ様物質からエクソソームを確認し、今後規格化へと動き出す企業もある。機能性原料を摂取することでエクソソームを誘導させる研究もアカデミアや大手企業が動き出しており、臨床試験が始まっている。つづく
詳しくは健康産業新聞1818B号 別冊「エイジングケア」(2025.8.20)で
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