特集【男性サポート商材】 更年期障害、 経済損失 1.2兆円 健食利用拡大に期待

 男性更年期障害の「LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群」に対する関心が高まっている。加齢に伴う男性ホルモンの一種であるテストステロンの低下によって、性機能低下や頻尿などの性機能関連症状のほか、認知機能の低下、気分障害、筋肉量の減少、内臓脂肪の増加など、精神・心理的、身体的に様々な症状が起きる。経済産業省は昨年、男性の更年期障害による欠勤や離職、パフォーマンスの低下などの経済損失が年間 1兆2,000億円に上るとの試算を発表している。今年6月には、閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に、「性差に由来した健康課題」への対応として、「男性の更年期障害を含む」が記載された。男性更年期障害は、新聞や雑誌で取り上げる機会が増えているほか、自身の悩みをSNSなどで発信する著名人も少なくない。しかし、理解度が進んでない上に、他人に相談し辛いこともあり、具体的な対策を行っている人は少ないのが現状だ。

 

 こうした中、男性特有の悩みに着目した活力サポートや、排尿トラブル対策商材への注目度も上昇。原料・販売メーカーでは、テストステロンを指標としたエビデンスデータの蓄積も進んでおり、新たな市場創出が期待される。活力系商材に用いられる原料は、マカ、トンカットアリ、高麗人参、コロハ種子、ガラナなどが流通。スッポン、マムシ、馬肝臓、馬心臓、豚睾丸といった動物性原料も多くの商品に利用されている。リアル店舗では、各社の特色あるサプリメント、飲料などが棚に並ぶ。コンビニエンスストアなどで「凄十」(飲料・サプリメント)シリーズを展開する宝仙堂は、前年比を超える売上を達成した。今年後半は商品拡充も計画する。素材では、認知度の高いマカを配合した商品が多く、井藤漢方製薬は、飲料「マカMAX」シリーズなどを展開。販売量が伸長している。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、飲料「マカの元気」を店販中心に販売。40代以上の男性ユーザーを中心に支持され、売上は前年並みに推移、「“元気”“活力”など、マカの素材イメージが広がり、購入に繋がっている」と話す。

 

 超高齢者社会を背景に注目が増す排尿トラブル対策商材。「 1日何回もトレイにいく」「排尿後に残尿感が残る」「夜間の頻尿が続く」など、排尿トラブルに悩む人は1,000万人とも言われる。「2022年国民生活基礎調査」によると、「頻尿(尿の出る回数が多い)」の自覚症状がある65歳以上の男性有訴者率は119.8。1位の「腰痛」に次いで「頻尿」は2位で高い数値を示した。こうした中、医薬品や、男性用の尿漏れ対策パンツなどのほか、予防策の1つとして健康食品が活用されている。沖縄アロエでは、沖縄県産シークヮーサー由来のノビレチン配合サプリメントを通販主体に展開。ヒト臨床試験の結果をもとに、排尿領域で機能性表示食品を届出中だ。つづく

 

 

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