連載⑲【薬局・薬店の新規事業】 スタートアップ共創プログラムで、新たなビジネスへ

 ㈱アイセイ薬局(東京都千代田区)は、全国約400店舗の調剤薬局事業と共に、グループホームやデイサービスなど介護福祉施設50拠点のネットワークを展開。在籍薬剤師は1,800人超。年間利用者約200万人(延べ数900万人)で、60歳以上のシニア層が約半数を占める。電子お薬手帳などのデジタル・ツールを全店で推進するほか、LINEとの連携やECサイト運用などにも積極的に取り組んでおり、LINE公式アカウントは10万人超。「ヘルス・グラフィックマガジン」「HELiCO(ヘリコ)」「Clinic Station Portal」の企画・運営など自社メディアとして健康関連コンテンツを多数保有している。

 

 2023年9月には、個人との共創による事業創出を目的としたオープンイノベーションプロプラムに着手すると共に、10月には国内最大級のオープンイノベーションプラットフォームを運営するCreww㈱と共に、スタートアップ企業との共創を目指したプログラムを開始した。「スタートアップ共創プログラム」では、調剤薬局事業における既存の「治療」領域から離れ、新たな事業として「未病」や「予防」をターゲットに、美容や高齢者生活支援、地域貢献、教育関連などへの参入を想定している。現在は第1期、第2期共に、一次選考、二次選考、最終選考を経た事業者との協業を模索中としており、「少なくともあと半年掛かる」見通しだ。

 

 エントリー企業には、サプリメント・コスメなど健康産業に関連する事業者からの応募も見られたという。具体的なビジョンとして、同社リソースを活用したビジネスモデルを構想中で、特に、シニア層を顧客のボリュームゾーンとして捉えつつ、従来有する「治療」「介護」以外の未開拓分野である「未病」領域に着目。「医療費の抑制や健康寿命の延伸に繋がる領域としてカバーすることで、健康におけるステージとして、未病から治療、介護までを一連でサポートしたい」としている。つづく

 

 

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