特集【関東受託ガイド】 海外展開、ペット向け、機能性表示食品等で攻勢

 本紙が上期に実施した健食受託市場調査(有効回答125社)の内、関東圏の健食受託メーカー(32社)の上期の業績を見ると、増収が43.7%、減収が28.1%、前年並みが28.2%となった。経営状況については、「良かった」と回答した企業は18.7%に。企業からは、「海外販売が好調に推移した」「既存顧客からの安定注文が継続した」といった声と共に、「紅麹の影響が薄れてきた」「紅麹から回復したから」といった声がある。海外市場向け製品の受託については、65.6%が対応しており、輸出国はタイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどASEAN諸国を中心に、中国、台湾、韓国ほか米国などが挙がった。品目では、NMNや乳酸菌、アミノ酸、プロテインのほか、コラーゲンやプラセンタ等の美容関連サプリメント・ドリンクの割合が増加。錠剤・カプセルのほか、ティーバック、ゼリーといった剤形が伸びているとの声もある。なお、ペットサプリは46.8%が対応、うち53.3%の受注が伸びている。関節系、口臭・毛艶改善、アイケアなどの訴求が多く、カテゴリーでは、免疫系、アンチエイジング系の訴求が目立つ。

 

 関東圏で事業を継続するには、全国的にも高い地価や、それに伴う固定資産税、人件費といったコストを踏まえ、生産性や独自性を高めなければ生き残れない。関東圏の健食受託メーカーでは、受託「+α」の戦略として、機能性を追求したオリジナル原料の研究開発や供給、素材開発の際の技術革新、高リピート率に繋げる製品OEMなどを手掛ける企業が攻勢をかけている。また、奈良の大同薬品工業の群馬工場や、静岡のAFC-HDアムスライフサイエンスの千葉工場など、関東圏の産業集積の多様性を活かし、多品種・小ロット対応の製造ラインの再構築やリスクヘッジなどを図る関東圏外の健食受託メーカーによる工場稼働も見られる。さらに、SDGs・環境対策として、太陽光パネルやカーボンオフセット都市ガス導入によるCO2削減や、エコアクション21認証などサステナブル経営を推進する動きも。このほか、「健康食品GMP」や「原材料GMP」「FSSC22000」「Pマーク」「アンチドーピング」など品質向上に関する認証取得、今後拡大が見込まれる海外展開を視野に入れた現地法人の設立や、ハラール認証・コーシャ認証の取得のアピール、特定分野に特化した専業受託なども見られる。つづく

 

 

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