特集【スーパーフルーツ】 ビタミン・ミネラル補給+機能性で新たな市場開拓へ

 スーパーフルーツ素材の開発は依然として活発だ。果実の皮や茎、葉など、未利用部分を有効活用した機能性素材開発や、地場の果実を活用して地域振興を目指す自治体も。さらに、「農家と連携し、NMNやリコピン、ポリフェノール、ビタミンC、の含有量を高めた栽培法を模索していく」とするサプライヤーもある。各社への取材から、フェムテック分野でのスーパーフルーツに期待する声が多い。美容、PMS・更年期対策、バストアップ、膣内環境の改善などをテーマに、エビデンス蓄積を進める動きがある。

 

 世界中には1万種類以上の食用フルーツ(果実)が存在すると言われている。当然、日本市場に流通していないフルーツも数多く、某大手飲料メーカーの開発者によると、「常に新たなフルーツを模索している」とし、その条件としては、「日本人の口や体に合うか、生産が安定しているか、安全性はどうか」を重要視するとともに、「健康に寄与する成分を含んでいるか」が重要なファクターになるという。

 

 「スーパーフルーツ」というジャンルが日本の健康食品市場で旋風を巻き起こしたのは2012年以降。その数年前から米国の健康・自然食品の展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ」では、アサイー、ゴジベリー、ザクロ、ガラナなど、抗酸化機能を持つフルーツ素材が数多く出品され、「スーパーフルーツ」として会場を賑わせていた。米国では、酸化ストレスへの危機感の高まり、フルーツ由来というイメージの良さなどを背景にブレイク、そのトレンドが日本市場に波及した格好となった。世界的なセレブやモデル、アスリートが情報発信したことも市場を一気に押し上げる要因となった。また、酸化ストレスに関しては、米国農務省が抗酸化を測定する指標としてORAC法(Oxygen Radical Absorbance Capacity=活性酸素吸収能力法)を開発したこともスーパーフルーツブームの追い風に。「数値が大きければ抗酸化能が大きい」という分かりやすさもアドバンテージとなった。

 

 日本市場では天然の抗酸化素材、ビタミン・ミネラル素材として評価されたことに加えて、「消化促進のために食後にフルーツを」という伝承的な機能も強みになった。医薬品成分の消化酵素を含むフルーツもあるため、サプリメントでの製品化には注意が必要ではあるが。さらに、「フルーツは健康機能を有しているが、糖分が多い」「おいしいが値段が高い」などの理由から、サプリメントや加工食品が選択するケースが増えたという分析もある。つづく

 

 

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