特集【アミノ酸/第二部・注目のプロテイン】 特化型で競合に差別化 海外トレンド波及も
今年はペットボトルタイプのプロテインが登場した。コンビニ大手のファミリーマートは6月、プロテイン飲料『タンパクチャージ』を発売した。体内への吸収速度が速い高純度の“ホエイプロテインアイソレート(WPI)”を使用、1本当たり15gのタンパク質を配合した。同社によると、「健康志向の高まりに伴い発売当初から注目され、主に30〜50代男性を中心に好評」という。ペットボトルタイプはこのほか、ウェルビーイングブランド「Cycle.me(サイクルミー)」を展開するドットミーが『たんぱく質がとれる水』を7月22日に上市した。都内一部のセブン-イレブン店舗などで販売していく。タンパク質は1本当たり5g含有、無色透明な水系飲料に仕上げた。
今年は商品形態のバリエーションが増え、「豆乳」との組み合わせも。プロテイン入り豆乳『アーモンド効果 PROTEIN』(江崎グリコ)が今年6月に上市された。同社の調査では、プロテインユーザー(粉末、ドリンク、食品)の約47%が、「健康維持」や「美容効果」目的に日常の食事や間食を中心にプロテインを摂取している一方、市場の主流は「筋肉増強」用途の商品が中心だと分析。「ハードな運動はしたくないけど、健康的でしなやかな身体でいたい」といった需要に応えていきたいとしている。同品は、女性の1日不足分を補える量である10gのタンパク質を配合している。
アメリカ市場ではコラーゲンプロテインが注目を集めている。美容ケアも併せ持つ機能性が評価され、ドラッグストアでは専用コーナーを設ける店舗もみられる。この潮流は近年国内にも波及、身体のスムーズな動きや痛みをやわらげる新ニーズ“筋膜ケア”の波が押し寄せている。コラーゲンなどのタンパク質で構成される筋膜は伸縮性があり、筋肉のみならず内臓や神経といった身体全体をつなげて支える役割が。筋膜の健康を改善する効果的エクササイズとしてピラティスが昨今ブームとなっており“筋膜リリース”の概念も広まりつつある。
海外のプロテイン市場は、ヴィーガンやベジタリアン志向を背景に“植物性プロテイン”が台頭している。主な原料はエンドウ豆、玄米、ヘンプ、カボチャの種など。低アレルゲンかつ消化面などで評価されている。トレンドはこのほか、“クリーンラベル”がキーワードに。「人工甘味料・保存料不使用」「ナチュラル原料」を訴求する製品化が進んでいる。機能性プロテインでは、腸内環境改善の訴求が。アスリート向けでは、ガラクトオリゴ糖などを組み合わせることで腸の負担軽減を図る提案が進んでいる。牧草を食べて育った牛(グラスフェッド)を原料とするプロテインもトレンドのひとつだ。放牧で健康的に飼育した牛の牛乳が原料で、人工飼料やホルモン剤、抗生物質などを使用せず、無農薬かつ化学肥料不使用の牧草で飼育しているのが売り。安全性の高さを訴求する動きが目立つ。つづく
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