【話題追跡】 工場 ・ 倉庫の従業員が該当、 事業者の熱中症対策が義務化に
東京都心で6月に30℃を超えた日数は11日を数え、1875年の統計開始以来、過去最高を記録。7月18日には梅雨明けも迎え、夏本番が到来した。熱中症で搬送された人の数が連日ニュースを賑わせている中、熱中症対策製品の売れ行きも右肩上がりで推移する。代表格は、発汗で失われた電解質やブドウ糖を効率的に補う「経口補水液」。特別用途食品の病者用食品に該当し、販売には消費者庁の許可が必要なため、参入企業は限られるが、五洲薬品と大塚製薬を先行メーカーとし、ここ数年でコカ・コーラシステム、味の素、大正製薬などが市場参入、シェア争いが始まっている。五洲薬品では、富山湾の海洋深層水と北アルプスの伏流水由来の天然ベースの経口補水液製品を展開。高齢者はもちろん、スポーツ分野、警備業、建設業界へも浸透、業況は順調とのこと。非食品分野でもアクアバンクが、独自開発の冷感生地『COOLIC®』を用いた熱中症対策アイテムのOEMを展開。大手ゼネコン向けにOEM供給している強冷感ポンチョは、既に1万枚以上を出荷している。日傘やハンディファンなど、関連製品の上市も相次ぎ、熱中症対策商材の市場は盛り上がりを見せる。
一方で、労働安全衛生規則の改正に伴い、6月1日から事業者には、従業員に対する熱中症対策が義務付けられた。健康産業界にも大いに関係する製造業や物流業等が対象。WBGT(暑さ指数)28℃以上または気温31℃以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間以上の作業を行う場合、事業者は熱中症予防対策として、以下3点が求められる。①「体制整備」では、熱中症患者発生時の緊急連絡先や担当者を決めるなど、事業所ごとに体制を整備する。②「手順作成」では、作業からの離脱、身体の冷却、医療機関への搬送など、重症化防止のための手順を事業所ごとに定める。③「周知徹底」では、職場での対策の内容を、関係者(従業員)に周知徹底する。対策を怠った場合、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるだけに、健康産業界でも遵守が求められる。つづく
詳しくは健康産業新聞1817号(2025.8.6)で
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